マンション銀座歩行者天国

Mrs.タエコのマンションライフ


皆が希望に向かう春だった
巨大地震で卒業式中止
日常生活の贅沢さ分かる

 あらゆる生命の息吹きに溢れ希望に満ちる季節の春が訪れました。進学、就職と皆が夢に向かって胸躍らせる、そんな素敵な時を過ごせるはずでした。
 それは、何の前触れもなく突然やって来ました。私は、職場で施設の利用者さん達とかなり激しい揺れを感じました。車椅子の方が前後に激しく移動し、慌ててブレーキを確認し、押さえて揺れが止まるのを待ちました。
 利用者さん達が怪我をしたり、体調を崩したりしたらどうしようかと心配でしたが、帰宅するそれぞれの家の安全を確認し、地震の影響で渋滞する道を、声を掛け合って全員の方を無事送り届けさせて頂き、施設に職員が帰ったのは、夜の9時を過ぎていました。いったい何が起こったのか、まだ、わかっていないくらい夢中でした。
 その後、テレビの報道等で、東日本巨大地震の全貌を知り、本当に、こんな事が起こってしまったのかと信じられない思いでした。
 そして、気持ちを落ち着かせて、携帯電話を見ると、全国の知り合いから「大丈夫?」というメールが入っていました。
 私の住む県でも津波の被害を受けたので、心配して下さったのです。私は自分の目先の事に追われて動揺していたので、とても恥ずかしく感じたものです。自分達も各地で揺れを感じ怖い思いをしたはずなのに、他人を思いやる気持ちのある事に感激しました。
 その後、長男の大学も全てが休止になり、次男の卒業式もなくなりました。でも家族4人が、毎日、顔を合わせ温かい食事を食べる時、そんな日常がどれだけ贅沢で幸せな事だったのかと考えます。
 子供達も今、僕たちに何が出来るのだろう≠ニ私に被害の状況を知る中で聞いてきます。それは、私にもわかりません。悲しみ、絶望感が理解出来るなんて事、申し訳なくて言えません。現在、出来る事をやるしかありません。皆で、頑張る事です。

(集合住宅管理新聞「アメニティ」2011年4月号掲載)
【つづく】