マンション銀座歩行者天国

マンションに百年住む (15)

管理組合には継続と改革のバランスが重要


 マンションは家の集合であると同時に、そこに住む人の集合体でもあり、大きな家族とも言える。血縁がないとはいうものの、家族の望ましい形は、今日は昨日からの連続にあり、つつがなく明日に繋いでいくことにあろう。このように考えると、管理組合の運営にも、過去からの継続と、改革とのバランスが重要ということになる。前年までの運営が上手に引き継がれることが重要であるし、急激な変化からは混乱が生じる。このことを改めて考えてみる必要があろう。
  役員の任期は管理組合によって様々である。一年任期で全員交代のところもあれば、十年近く理事長が代わらないところも珍しくない。一年任期、全員交代では運営に持続性が生まれないのは言うまでもない。また、やり手の理事長であっても、十年も留任していてはマンネリは避けられないし、専横な振る舞いが生まれてこないとも限らない。とするなら、多くのマンションに定着し始めた二年任期、半数一年交代がほぼ妥当な制度か。留任は二期四年までとし、大規模修繕工事や、規約改正などに対処すればよい。
  もう一つ厄介なのは役員の選任方法である。最近のマンションでは設立総会時にフロアーごとの輪番表が管理会社から用意される例が多くなっている。入居二、三年目まではこれでいいものの、四、五年経って入居時に用意された長期修繕計画の見直し、さらには大規模修繕工事が近づいてくると好ましくない。管理会社にとっては、輪番制の一年交代は扱いやすい理事会であるが、大規模修繕工事を目前にした理事会構成のあり方が、マンションの将来を大きく左右することを自覚してもらいたい。特別委員会を立ちあげたり、輪番制の中に、自薦、他薦の枠を組み入れたりすることを検討したい。
  三十年前後を経年したマンションでは、理事会が年寄りクラブになっている団地型マンションを見受ける。時間にゆとりのできた年寄りにとって、管理組合運営はなかなかの気晴らしともなろうが、次の世代に、管理組合に参加してもらうことにこそ経験を生かしてもらいたい。70歳以上は理事長にはならない内規を作ることも検討したい。
  最後に付言すれば、建築、不動産の専門家は理事長職には就かないことを自他ともに自覚した方が良い。専門家は多くの場合、自分の限られた専門知識を管理組合に持ち込み、はじめは歓迎されても、やがて混乱を引き起こすことが多い。(満田 翔)


(集合住宅管理新聞「アメニティ」2010年7月号掲載)