終の住み処と万一の備え

エスカレーターの事故 高齢者や子供に多発

◆歩行を避け手すりの利用を
 現在、日常生活において通勤や通学、外出時などエレベーターやエスカレーターに乗らない日はないといえる。そんな身近な乗り物であるエレベーター、エスカレーターだが、特に高齢者や子供のエスカレーターによる事故が目立っている。
 消防庁はじめ有識者、関係団体等で組織された事故防止対策検討委員会が東京消防庁管轄区域内において発生したエスカレーター、エレベーターなどの事故ついて調査を行った結果を公表しているが、それによると調査期間中2177人の受傷のうち、エスカレーターによるものが1014人と最も多く発生していることが分かった。
 調査ではエスカレーター事故のうち高齢者が占める割合が約53%、人口10万人当りの事故人数でも85歳〜89歳が29・8人と最も高く、60歳を過ぎてから事故の増加傾向にあることが分かった。また、60歳〜64歳の10・6人と0歳〜4歳の未就学児8・4人が非常に近い事故人数となっている。
 利用者の意識調査では、運転速度について速すぎると感じている高齢者の割合は、高齢者以外と比較して2倍以上あり、ためらいやタイミングの合わせづらさを感じる高齢者の割合は61・5%で、身体能力の低下により速度やタイミングに対する不安が高いことが分かった。
 事例調査では本人が立っている状態で他の歩行者に接触された事故が1・9%あり、利用者の意識調査でもエスカレーターでの歩行を危険と感じている高齢者が61・6%にのぼり、歩行に関する問題も浮かび上がった。
 これらの調査から委員会では安全な利用方法として、つまずきやふらつきを防ぐため「手すりの利用」高齢者に配慮した利用の心がけとして「接触事故防止のため歩行しない」未就学児には保護者が手をつなぐなどサポートして乗り「ベビーカー・ショッピングカート等を使用したまま乗せない」などを提言している。

紙芝居を熱心に見入る園児たち


◆紙芝居で正しい乗り方を子ども達に指導
 11月10日、幼児園児を対象にエレベーター・エスカレーターの正しい乗り方やマナーを指導する、安全キャンペーンを三菱電機ビルテクノサービス(株)が行った。
 場所は板橋区の学校法人明角学園ときわ幼稚園で、園児、教諭ら約100名が参加した。
 この催しは誤った乗り方や、不注意によるエレベーター・エスカレーターでの子どもの被災を防ぐ目的で行われたもので、30年に亘り、全国各地で実施されており、参加者はこれまでに30万人を超え、同社の重要な安全活動のひとつとなっている。
 当日は、同社スタッフが園児たちを前に、エレベーターやエスカレーターの正しい乗り方を説明する「うさぎとかめ」の物語をベースにした紙芝居「ぴょんたとのんきの大レース」を披露。
「エスカレーターの黄色い線はふんじゃだめ。手すりにちゃんとつかまって」「エレベーターの閉まったドアによりかかり手をついたりしない」などを子ども達に分かり易く呼びかけ、子ども達も熱心に聞き入っていた。
 ときわ幼稚園明角園長は「日頃、街でエレベーターやエスカレーターの点検現場を見る機会は多いが、具体的な正しい乗り方は、良く分からない部分も多かった。今回、こうした安全教室を見ることで大人も子どもも、正しい乗り方やマナーを知る良い機会になったと思う」と話した。

(集合住宅管理新聞「アメニティ」2010年12月号掲載)

子どものエレベーター・エスカレーターによる思いがけない事故を防ぐために

 エレベーターやエスカレーターはマンション生活に限らず日常生活に欠かせない身近な存在だ。
  しかし近年、昇降機にかかわる事故の発生は後をたたない。
  このような状況を受け国交省では、運輸安全委員会に、エレベーターなどの昇降機を扱う部門を新設する方針を明らかにし、11年度中に同委員会設置法の改正案を提出する予定だ。また企業も事故を未然に防ぐため、安全装置の開発や保守点検を行っているが、保守点検とあわせて重要なのは乗り手側が正しい利用のルールを守ること。特に子ども達には、正しい乗り方やマナーを日頃から教えることが重要だ。


◆正しい乗り方を子どもに伝える
子どもの昇降機による事故は、機械の故障によるものもあるが、同伴している大人が十分に注意していれば予防可能というケースもある。エレベーターに乗るときには、戸に寄りかからない、戸が閉まりかけたら無理に乗らない、ヒモ、クサリ、コードなどが戸にはさまれないように注意する、小さな子どもだけで乗らない。エスカレーターに乗る時には、黄色い線の内側に乗る、降りるときは、足を大きく踏み出す、手すりにつかまる、などの注意点を大人が日頃から子どもに指導して事故を未然に防ぐようにしたい。(三菱電機ビルテクノサービスホームページ掲載資料を参考)
◆子どものための安全キャンペーン
三菱電機ビルテクノサービスでは、誤った乗り方や、不注意によるエレベーター・エスカレーターでの子どもの被災を防ぐ目的で安全キャンペーンを30年に亘り全国各地で実施している。参加者はこれまでに30万人を超え、同社の重要な安全活動のひとつとなっている。先日、都内で行われたイベントでは買い物に訪れた親子連れを前に、エレベーターやエスカレーターの正しい乗り方を紙芝居で子ども達に分かり易く呼びかけた。


(集合住宅管理新聞「アメニティ」2010年6月号掲載)