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拡がる食材宅配サービス 孤立を防ぐコミュニケーションツールとして注目

 近年、高齢者を対象とした食材宅配サービスの需要が高まっている。
 食材宅配サービスは、材料そのものや下ごしらえした食材、完全に料理済みのものなどを自宅まで届けるサービスで、これまで高齢者に限らず、仕事や子育てに忙しい家庭や病気による食事制限のある人などに広く利用されていたが、ここ数年独り暮らしの高齢者などの間で利用者が増え、民間事業者をはじめ、スーパー、コンビニチェーンや一部の医療法人などでも新規参入の動きがみられるようになった。
 経済産業省も地域のスーパーの閉店や商店街の衰退などで日常の買い物に困る高齢者など、いわゆる「買い物難民」について重要視し、支援策を提言する報告書を発表している。報告書では車などの移動手段も無く、身近な家族の手助けも得られず、食品などの買い物に困る高齢者は全国で約600万人と推計され、過疎地域だけでなく大都市近郊の団地などでも深刻化していると指摘された。実際、エレベーターが無く、バリアフリー化されていない集合住宅などでは、体力の落ちた高齢者が重い買い物を持って上がることは困難な状況だ。このような中、高齢者の日常の手助けになり、同時に安否確認にもつながる食材宅配に注目が集まっている。


■宅配サービスの種類
 サービスの内容は各社様々だが、提供される食材は大きく分けて3つの種類に分けられる。
・調理前の食材
 野菜や肉など、調理されていない生の食材を宅配する。スーパーなどで購入するより割高感もあるが、手に入りにくい無農薬野菜や無添加食材、産地直送など味や品質管理にこだわった食材を選ぶことができる。
・半分調理済の食材
 皮むきや下味などの下ごしらえが済んだ食材を宅配する。材料にあったレシピ付きのサービスなどもあり、調理時間の短縮や生ゴミの量を減らせるメリットがある。
・調理済の食材
 完成品の食材が宅配される。専門家によって栄養バランス、カロリー管理など、しっかりと考えて作られているものが多く、病気による食事制限のある人や日常の調理が困難な高齢者の利用にメリットがある。

■安否確認サービス
 食材宅配業者の中には配食サービスとあわせて利用者の安否確認を行うところもある。「まごころ弁当」「ニコニコキッチン」などでは利用者にあらかじめ緊急時の連絡先を伝えてもらい、何か異常があった場合は配達員が家族やケアマネージャーへ連絡し救急車を呼ぶなどの対応をとる。



■サービスの費用
 1食あたりの料金は400〜900円程度。入会金や年会費が必要な場合やそれらの費用について無料の場合がある。
 提供される食材メニューやサービス内容は各社様々なので事前にサービス内容を確認し、お試しサービスなどを利用して自身にあったものを選ぶようにしたい。また、送料についても各業者によって宅配方法や料金が異なるので事前によく確認すること。

■申し込み方法
 インターネットの各社ホームページから申し込む方法やチラシや広告などから会社情報を見つけ、電話、ファクシミリを使い申し込むことができる。
 自治体が公的サービスとして配膳サービスを提供する場合もあるが、主に寝たきりや独り暮らしの高齢者、高齢者のみの世帯など日常の食事の調理が困難な場合が対象となることが多いので各市町村へ問合せが必要だ。
 また、食材宅配サービスは、提供メニューによって、賞味期限などの問題で地域によっては利用できない場合がある。サービスを選ぶ際は、自分の地域が利用可能地域かどうかをあらかじめ確認することが必要。
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 現在、急速に進みつつある高齢化社会では今後、様々な問題が発生してくるといわれている。中でも毎日の食事の問題は、単身高齢者や高齢者夫婦にとって大きな問題でもある。
 このような場合に、食材宅配のようなサービスを利用することによって、食事の心配だけでなく、日常の安否の確認や配達時にコミュニケーションをとることも可能となり、現在、社会問題化している「無縁社会」からの、回避策のひとつと考えられている。