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明海大学不動産学部における/高経年団地型マンション再生への試み

 築40年を超える高経年団地型マンションでは、建物の老朽化、居住者の高齢化、不動産価値の低下などが生じており、建物・人・管理を含めた多面的な団地再生手法の検討が火急の課題になっている。
 明海大学不動産学部における「不動産管理演習」では、こういった高経年団地型マンションの再生に向けた試みとして、リノベーション計画の提案演習を行った。検討対象としたのは千葉市に建つA団地である。築43年が経過する同団地は、多分に漏れず、建物の老朽化、居住者の高齢化が進んでいる。しかしその一方で、盛んなコミュニティ活動が特徴的な団地であり、新築以来培われてきたこれらのコミュニティ活動は、かけがえのない「資産」となっている。
 そこで今回の演習では、「もし管理組合が一部の住戸を買い取り、賃貸運営することができたら」という仮定の下、A団地に適した再生手法として「不動産学部らしい」具体的なリノベーション計画を学生に求めた。



             発表会の様子


 1月23日、管理組合の面々やリノベーションの専門家等が集まる中、20名の学生による提案発表会が行われた。20名それぞれが多様な計画のプレゼンテーションを行ったが、その中に印象に残った提案が二つあった。
 一つは、「借主負担DIY型賃貸住宅」の提案である。DIY型賃貸住宅はよく聞く手法ではあるものの、この提案の注目点は、物づくり(DIY)を通して団地内のコミュニティのさらなる活性化を図る事、ならびに団地の情報を外部に発信していく仕組みを提案している事である。A団地には、物づくりに長けた様々な居住者がいる。これらの居住者とタイアップすると共に、物づくり(DIY)教室を開く事で、団地外から人を呼び寄せる仕組みを提案した。
 もう一つは、「再婚できる団地」と題した計画で、シングルマザーの支援を通して居住需要の促進を図る提案である。人生経験豊かな居住者によるシングルマザーのサポートや、シングルマザーの就職難に着目した団地内雇用の提案、さらにはシングルマザーの婚活支援など、そのスキームが緻密に検討されていた。
 どちらの提案も実現に向けてはまだまだ踏み込まなければならない問題があるが、これまでに培ってきた「資産」としてのコミュニティをうまく活用した計画として、貴重なヒントになると感じた。団地再生は、コミュニティの延長線上に解決の糸口があるのかもしれない。
(明海大学不動産学部非常勤講師 藤木亮介)