保険の話

10.補償の厚い人身傷害険

  前回は搭乗者傷害保険と人身傷害補償保険の違いのうち、補償される「事故の範囲」と「人」について見てきました。今回は保険金支払いの違いを確認していきます。
 どちらの保険も請求して、免責事項に該当しななければ支払いはスムーズに行われます。ただし、支払われ方が違います。
 搭乗者傷害は、入院1日につき15000円という日数払いと、腕の骨折は35万円という部位症状別払いです。つまり、支払われる金額が決まっています。
 対して人身傷害は実損払いで、保険金を限度に実際にかかった医療費や慰謝料が支払われます。
 ここがポイントですが、人身傷害は医療費のほか慰謝料や損害補償も支払いの対象になっています。
 通常、相手のある事故で慰謝料を受け取れる場合でも、示談が成立しなければ支払われません。しかし、人身傷害は示談に関係なく支払われます。また、損害額1000万円の事故にあい、相手の過失が7、自分が3という場合、受け取れる損害補償は700万円(過失相殺といいます)ですが、人身傷害は自分の過失分も含めて支払われます。
 このように補償の厚い人身傷害ですが、その分保険料は高くなるので、保険金の設定に注意しましょう。
 最後に、自動車保険を使うと翌年の更新時に等級が下がりますが(例・10等級↓7等級)、搭乗者傷害、人身傷害はともに使っても等級は下がらないので、使いそびれの無いようにしましょう。(AFP・TS)

(2012年5月号掲載)