マンション銀座歩行者天国

3.吹奏楽の楽しみ

管楽合奏の可能性♪

 クラリネット奏者として高名なポール・メイエ。その名演を、CDで時々聴いています。彼が、東京佼成ウインドオーケストラ(TKWO)の主席指揮者となり、今年の2月に第104回定期演奏会TKWOデビューを果しました。
 吹奏楽では、特有の音響的なダイナミックさを訴える音楽を前面に据えする演奏会が多いのですが、TKWOのそれは時々それを覆します。音響重視を期待する聴衆には、それを受け入れることが結構むずかしいようですが…。この日は、吹奏楽の原点を見つめ、可能性等を確認しようというのがテーマ。とても地味ですが、基本を見つめ直すにはうってつけと言えます。


モーツアルトのセレナード♪

 モーツアルト作曲のセレナード第10番変ロ長調「グラン・パルティータ」は7つから成る組曲。クラリネット、バセットホルン、ファゴット、オーボエが各2本、ホルン4本、コントラバス1という13人の小さな編成です。ゆえに各楽器の特性や息吹が明瞭に伝わってきます。つまり、固有の音を生かしたメロディーと繊細なハーモニーがとてもわかりやすい音となって現れるのです。
 モーツアルトはバセットホルンの演奏家と友達で、管楽器についてとても興味もあり、詳しくもあったようで、モーツアルトの愛情溢れるセレナードが吹奏楽を通してからだに染み渡りました。
(服部 伸一 エッセイスト・写真家)


集合住宅管理新聞アメニティ331号 (2010年4月号掲載)