マンション銀座歩行者天国

6.シューマン

トロイメライ♪

 ショパンの生誕200年で湧いているクラシック界。もう一人忘れてはいけない生誕200年の作曲家がシューマンです。シューマンは、1838年(28歳頃)に「子供の情景」という13曲からなる小品集を作曲。『トロイメライ』は、その中の7曲目に入っています。この頃のシューマンはまだクララと結婚はしていませんし、もちろん子供もありません(1940年にクララと結婚)。心にジーンと深く染み入る3分弱のとても短い曲ですが、美しい旋律が際立っています。『トロイメライ』とはドイツ語で「夢を見ること」の意で、子供が今、夢を見ている情景がそこにあるかのようです。この曲は、曲集中もっとも知られた曲であり、ヴァイオリンやチェロ用にも編曲され、広く親しまれています。

子供好きなシューマン♪

 今年になって初めての散髪の日、店に入ったとたん何かが違う。そう、BGMの音楽が、今までとまるで違うのです。ジャズだったのです。しかもその系統のジャズはとくに好きです。うるさくなく、息吹を伝えるようなピアノ、サクソフォーンとベース。変拍子を所々に置きながら、楽器同士が歌いあって、心に響きます。
 「音楽、替えたんですね。どうしたんですか?」と筆者。「いやー、ずっと同じじゃ、進歩がないじゃないですか」とご主人。「どういうジャズが好きなんですか?」「勉強中です」と、正直で素直。ジャズのリズムとハサミのリズムはまったく異なり、不思議な空間です。床屋さん通いの楽しみが増えたなと、ひそかに幸福感を持ったのです。
(服部 伸一 エッセイスト・写真家)


集合住宅管理新聞アメニティ334号 (2010年7月号掲載)