マンション銀座歩行者天国

10.たき火

道の真ん中での焚き火♪

 道の真ん中での焚き火♪  子供の頃、寒い季節になると、道の真ん中で焚き火をしました。それを中心に子供たちが輪をつくります。時々、「かきねの かきねの まがりかど たきびだ たきびだ おちばたき」と歌ったものです。「たきび」の2番には、「しもやけおててが もうかゆい」という部分がありました、当時の子どもは冬になると霜焼けが当たり前でした。本当に痛かゆく、手が腫れて大変でしたが、今となってはそれを含めて懐かしい思い出となっています。

巽聖歌の思い出の地を歩く♪

 「たきび」を作詩した巽聖歌は、大正14年「赤い鳥」に詩「水口」を発表、北原白秋に激賞されます。そして、白秋に師事し、子供のための詩を創ります。昭和5年頃から約13年間、現在の東京都中野区上高田に住み、付近を散歩しながら、「たきび」のうたの詩情をわかせたといわれています。作詩から80年近い歳月が流れ、武蔵野の景観が次第に消えていくなかで、けやきの大木がそびえ、垣根の続くこの一角は、今も当時の面影があります。
 この道は狭いので、焚き火は小さく、やさしく燃やす必要があったでしょう。この風景によって「たきび」の詩とメロディーとが体から湧出してきました。(服部 伸一 エッセイスト・写真家)


集合住宅管理新聞アメニティ338号 (2010年11月号掲載)