マンション銀座歩行者天国

12.大作曲家の自筆譜

美しいモーツアルトの自筆譜♪

 モーツアルトの歌劇「フィガロの結婚」のアリア「喜びに胸はおどり」K579、モーツアルト自筆のピアノ伴奏譜の自筆譜を見た第一印象は、とても丁寧であるということです。一つひとつの小さな音符が乱れることなく書かれています。まるで印刷しているようにきれいで、そのまま演奏者に渡して演奏できるレベルです。
 モーツアルトは1785年に「フィガロの結婚」を作曲しました。当時の有名なソプラノ歌手フェラレーゼは、スザンナ役を歌い、自分の歌うアリアがもう一曲ほしいと望んだのです。そしてモーツアルトはフェラレーゼの「ナイーブな演奏」に魅力を見いだし、その良さを引き立たせるように作曲しました。

自筆譜は書き手の心を映している♪

 一方で、このアリアがオペラ以外の場でも広まるように、モーツアルト自身がピアノ伴奏版をつくっていたことを示す非常に数少ない例でもあるのです。このようなピアノ伴奏版を作ることによって、アリアはオペラの舞台ばかりではなく、他の場所でも歌曲のように歌われることになったのです。
 モーツアルトの自筆譜は、非常に几帳面に丁寧な音符を通してモーツアルトの曲を聴く楽しみがさらに増しました。
 この楽譜は、モーツアルトの心が映し出されているかのように、そこから音が溢れ出てくるようで、彼らの自筆譜を目にした感激でいっぱいでした。(服部 伸一 エッセイスト・写真家)


集合住宅管理新聞アメニティ340号 (2011年1月号掲載)