マンション銀座歩行者天国

19.藤山一郎さん

生誕100周年の国民栄誉賞歌手♪

 存命中に国民栄誉賞を受賞し、国民的歌手だった藤山一郎さんは、1911年4月8日、東京日本橋蛎殻町に生まれ、今年は生誕100年になります。東京音楽学校(現東京芸術大学)を首席卒業。本名の増永丈夫ではクラシックのバリトン歌手として活躍。流行歌手としては、正統的な歌唱法を武器に、「酒は涙か溜息か」「東京ラプソディー」「丘を越えて」「青い山脈」「長崎の鐘」など多数のヒット曲を世に送りました。

楷書の歌♪

 流行歌を、この人ほど明瞭に歌った歌手はいないと言ってもよいほど、日本語を気持ちよく丁寧に、また、持って生まれた明るい歌声で朗々と歌い込みました。背筋をピンと伸ばし、キビキビとした動作と歌いぶりがなんとも言えないほどの清涼感を与えてくれました。しかも、「楷書の歌」と言われたほどの歌い方が、私たちをしゃきっとさせてくれました。

美しい日本語の普及に貢献♪

 1992年5月28日、彼は国民栄誉賞を受賞。受賞理由は、「歌謡曲を通じて国民に希望と励ましを与えた功」「美しい日本語の普及に貢献」というもので、これは、本人も納得のいくものであったと思うのです。大衆音楽に関する著書の多い菊池清麿氏は彼の生涯について、「芸術家としての人生が約束されながら、大衆音楽の世界で人気を博し国民栄誉賞を受賞するという稀有な人生だった」と評しています。(服部 伸一 エッセイスト・写真家)


集合住宅管理新聞アメニティ347号 (2011年8月号掲載)