マンション銀座歩行者天国

20.フランツ・リスト

ピアノの魔術師♪

 ショパンの同時代のフランツ・リストは、1811年10月22日生まれで、今年が生誕200年です。ピアニストでもあり、作曲家でもありました。
 リストの作品は、その技巧的な面が強調されますが、リスト自身が、超絶的な技巧を持つ当時最高のピアニストで、「ピアノの魔術師」と呼ばれていました。どのような曲でも初見(初めて見た楽譜を練習なし)で弾いたと言われています。超絶技巧とその音楽性から、当時は「指が6本あるのではないか」という噂がまともに信じられていたといいます。それくらい、超絶技巧を必要とする曲をいとも簡単に弾いたわけです。和音の音の数は多く、10度の音程も軽々と押さえたと言います。

超絶技巧練習曲集♪

 時々、リストの超絶技巧練習曲集(Etudes dexecution transcendante)12曲を、雰囲気によって選んで聴いています。この曲はその名の通り、非常に高度な演奏技巧を要するわけですが、決して何から何まで超絶技巧の会得を目的としたわけではないようです。transcendanteという言葉は、普通「超越」と訳されるのですが、肉体・精神・魂のすべてを超越するというのが最も近いニュアンスのようです。つまりこの曲集は、肉体・精神・魂を超越した練習曲という位置づけなのです。「超絶技巧」というよりも「魂の超越」ということがこの曲の本質と言えるかもしれません。『前奏曲』、『マゼッパ』、『鬼火』、などで構成されているこの曲を、お聴きになることをお薦めします(服部 伸一 エッセイスト・写真家)


集合住宅管理新聞アメニティ348号 (2011年9月号掲載)