マンション銀座歩行者天国

21.ハーモニーはバランスが重要

身勝手な演奏は困ったもの♪

 音楽を生活の一部と化していて音楽がないと暮らしていけないという、お米のような存在だと言う人もいるでしょうし、気分を高揚させたり落ち着かせたりするために聴くという人もいるでしょう。それが、生のコンサートに出かけるということになると、もっと明確な目的を持っているものです。一般的には、楽しい気分の良い時間を演奏者と共有したいからです。ところが最近聴いた、ポップスブラスを謳ったバンドのコンサートは、奏者だけが楽しんでいるような状態でした。演奏の半分はジャズでしたが、ジャズとポップスは似て非なるものという認識がないのもちょっと残念でした。しかし、奏者の中にはジャズ出身者がおり、彼らのソロはとてもよかったのです。

意図して音を重ねる♪

 身勝手な演奏以外にも、このバンドの大きな問題はバランスにもありました。とくにf以上の音量になると各楽器間のバランスが欠け、とんがった感じの音になり、とても聴くに耐えないのです。ハーモニーづくりは全体としては、高音部よりも中音部、そして中音部よりは低音部がしっかりと鳴っていることが求められます。つまり、あるハーモニーを出す時に、各楽器間の音量のバランス調整をすることが不可欠なのです。音が進行するすべてにおいてハーモニーがあるので、その一つひとつでバランスの調整が必要であり、そこがアンサンブルの難しさなのです。バランスづくりは、音楽に限らず、様々な世界に通用する考え方なのではないかとも思うのです。(服部 伸一 エッセイスト・写真家)


集合住宅管理新聞アメニティ349号 (2011年10月号掲載)