マンション銀座歩行者天国

29.TV演奏会の楽しみと失われたもの

クラシック番組が一日の開始♪

 NHKFBSプレミアムで、月曜日〜金曜日午前6時から「クラシック倶楽部」を、毎週日曜日は「特選オーケストラ・ライブ」を放送しています。前者は国内での演奏会の独奏、アンサンブル等を、後者は主としてNHK交響楽団の演奏会を放送しています。ほぼ毎日のテレビ演奏会は、一日のスタートとして欠かせない生活の一部となっています。これらの番組のよいところは、奏者などの情報をテロップで流し、音声での紹介はほとんどありません。実際の演奏会でも時間になれば奏者がステージ上に現われ、演奏を始めます。そういった演奏会場のありのままの雰囲気を維持するためにも、「しゃべらない」「音楽に徹した」放送は大歓迎です。



司会者の音楽性を想う♪

 クラシック番組での喋り過ぎは、音楽を台無しにします。そのような番組の場合、お喋りの時は音量を絞り、口だけパクパクさせ、演奏が始まると音量を上げます。故黛俊郎氏が司会を務め、音楽の深さや楽しさを教えてくれたTV番組は、氏のお喋りが魅力でした。しかし今は昔。音楽って浅いなー、と思うような番組に成り下がり、そのような番組自体を観なくなりました。これは、黛氏の知性が非常に高く、深い音楽性を内包して音楽のあれこれを紹介したのに比べ、昨今の司会者は視聴者に迎合したポピュリズムとも言えるような残泊で内容の乏しい紹介に終始しており、彼がその程度の浅い音楽性と知識しか持ち得ないことを語っているようで、とても残念です。 (服部 伸一 エッセイスト・写真家)




集合住宅管理新聞アメニティ357号 (2012年6月号掲載)