マンション銀座歩行者天国

39.第83回新人演奏会

歴史ある新人のための演奏会♪

 駅弁が人気を得て久しいですが、筆者が好きな幕の内弁当が少なくなっている感じがあります。一つの器を区切り、それぞれに特色ある食材を配し、目で楽しめて、食べておいしい幕の内弁当。そんな感じだったのが第83回新人演奏会でした。
 全国34の大学、短期大学で音楽を学び、この春、卒業した若手演奏家が、学校から推薦されて腕を披露するのが新人演奏会です。1930年に創設され、第一回は日比谷公会堂で開催されました。各校から選抜された首席等の新卒者が、プロの演奏家としてのキャリアをスタートする初の機会で、最近の会場は、演奏家なら一度はそのステージに立ってみたいという東京上野の東京文化会館大ホール。



それぞれ味のある演奏♪

 プロコフィエフのピアノソナタ第3番の一部を弾いた正住さんのダイナミックな色彩感。同じピアノでも「イスラメイー東洋風幻想曲」を弾いた斎藤さんは繊細に表現されていました。一度は他の職に就いていたけれど、あらためて学生となって音楽を学んだというフルートの久保さんも素晴らしかった。チューバ独奏でウジェーヌ・ボザの「テューバのためのコンチェルティーノ」の演奏した大沢さんの技巧は素晴らしいのひと言。男性をイメージしがちなテューバですが、女性の進出を心から歓迎します。
 ピアノ独奏、独唱、ヴァイオリン独奏、オーボエ独奏、サクソフォーン独奏など、本当に幕の内弁当のように楽しく、それぞれの演奏家の味が滲み出ていました。
(服部 伸一 エッセイスト・写真家)


集合住宅管理新聞アメニティ370号 (2013年7月号掲載)