マンション銀座歩行者天国

50.二人の90歳の音楽家

岩井直溥♪

 岩井直溥さんが5月10日、90歳で昇天されました。吹奏楽にポップスを紹介した作曲家で、ポップスの編曲も多く手がけ、「吹奏楽ポップスの父」と呼ばれました。演奏の喜びの一つは演奏会を開催し、お客様と伴に楽しむことです。クラシックやマーチなどに加え、ポップスを演奏できるようになったのは彼のおかげで、演奏会は断然楽しくなりました。大震災後、鎮魂の曲が発表されました。多くは「作為」が見られる中、昨年の吹奏楽コンクールに彼の委嘱作が課題曲になりました。「復興への序曲《夢の明日に》」は苦しさや深刻さが無く、「共に前進しよう」と語りかけている感じの曲で、鎮魂と復興を改めて考えさせられました。



ネヴィル・マリナー♪

 4月15日で90歳になったのがネヴィル・マリナーさんです。ヴァイオリン奏者としてデビューし、フルトヴェングラーやカラヤンの指揮で演奏をした経験をもち、その後世界的な指揮者になりました。2月にNHK交響楽団の定期公演を指揮し、その様子をテレビで聴きました。元気な秘訣について問われ「好きな音楽をやっていること。音楽というアドレナリンを注入してもらっている」と語っていました。ドヴォルザークの交響曲第7番と第8番を指揮。90歳という年齢で、あれだけの美しい指揮ができるのかと、とても感激と感動を覚えました。「やればできるよ」と、私たちに語りかけているようで、大きな勇気をもらうことができました。
(服部 伸一 エッセイスト・写真家)


集合住宅管理新聞アメニティ381号 (2014年6月号掲載)