マンション銀座歩行者天国

52.花は咲く

歌の良さを理解している?♪

 「真っ白な 雪道に 春風香る」で始まり「花は 花は 花は咲く」が繰り返される「花は咲く」は、NHKの東日本大震災復興支援ソングとして放送されています。旋律の一部は日本的音階なので、少し陰鬱な感じもします。
 多くの歌手達に歌われているこの歌ですが、彼らはその部分を強調し、さらに暗く歌っています。ですから、「花は枯れる」といった趣になっています。
 同じ歌でも、歌い方によって、その歌の景色を変化させてしまいます。その歌い方とは、「その音楽に何を感じるか」という本質的なことなのですが、ある部分だけを強調すると、本質は逃げていってしまいます。



歌の本質を表現する♪

 この歌を外国人歌手が歌っていることを、最近になって知りました。聴いてみて驚きました。日本人の歌い方とは、表現がまるで異なっているのです。
 男性四人のボーカルグループイル・ディーヴォ≠フ「花は咲く」は、情緒に溢れ、希望に満ち、豊かな景色に仕上がっています。なぜなのか、楽譜を見ました。ド・シ(♭)・ラで始まり、フレーズの終わりもド・シ(♭)・ラになっているおもしろい構造です。
 外国人歌手は楽譜通りに歌っていますが、日本人歌手の多くは途中の半音階のシ(♭)を低めに捉えているのです。故に、暗くなってしまうのです。
 イル・ディーヴォの「花は咲く」を、ぜひ一度聴いてみてください。
(服部 伸一 エッセイスト・写真家)


集合住宅管理新聞アメニティ383号 (2014年8月号掲載)