マンション銀座歩行者天国

59.浪花亭駒吉

浪曲は100年以上続く伝統音楽♪

 「まるで浪花節だね」というと、義理や人情、お涙頂戴といった比喩として使っています。浪花節は人の生きざまを描いたものが多い、明治の初期にはじまった演芸で、浪曲とも言います。「浪花節だよ人生は」「浪曲子守唄」などの歌謡曲もあります。
 浪曲は平安、江戸時代から続く、祭文、チョンガレ節、説経、浄瑠璃、阿呆陀羅経などを源流としてできたものです。つまり浪曲の節調(旋律)がそれらの影響を受けていると見られるからです。それらは浪速節、名古屋節、関東節といったように地域ごとに発生していました。


節と啖呵、浪曲の創始者♪

 関東節の祖と呼ばれるのは浪花亭駒吉です。彼は三味線の名手戸川照に節調を習い、浪花亭独自の十八通りの約節を完成。マクラから地節、早節、流星、浪曲という現在まで続く関東節の基礎を確立し、それまで大道芸だった浪曲を完璧な寄席芸に昇華、定着させた功労者なのです。
 浪曲は三味線の伴奏があるだけの一人芝居。物語を歌う部分(節)は駒吉が創りあげた表現方法によって多面的な旋律で歌います。語り(啖呵)は複数の登場人物を一人で演じ分けます。節と啖呵を織り交ぜながらの口演は、聴くものをぐいぐいと、物語の世界へ引き込み、楽しませてくれます。
(服部 伸一 エッセイスト・写真家)


集合住宅管理新聞アメニティ391号 (2015年4月号掲載)