マンション銀座歩行者天国

71.100歳を超えた木下忠司

木下映画には、木下音楽あり♪

 4月9日、100歳の誕生日を迎えた木下忠司さんは、自ら「作曲家ではなく映画音楽家」と語っており、数々の映画音楽を作曲しました。彼の兄は、映画監督の木下恵介さんです。兄が監督した「わが恋せし乙女」(1946年封切)の音楽を初めて担当してから、「二十四の瞳」(1954年)、「野菊のごとき君なりき」(1955年)、「喜びも悲しみも幾歳月」(1957年)、「点と線」(1958年)、「人間の條件」(1959〜61)、「路傍の石」(1964年)など、本コラム読者諸氏が感動した作品ばかり。木下恵介監督の名画には、弟の木下忠司さんの音楽が、ドラマを抱えるように寄り添い支えていたのです。


テレビドラマも木下音楽♪

 テレビドラマでは水戸黄門の主題歌、「人生楽ありゃ、苦もあるさ…」の「あゝ人生に涙あり」(1969〜2011年)、「桃太郎侍」(1976〜1981年)も彼の作品です。毎週放映されるテレビドラマの水戸黄門は上意下達的な内容から、民の心をすくい上げて悪人を懲らしめるというように、時代とともに変化してきました。しかし主題歌は、ずっと同じです。ジャンジャジャジャ、ジャンジャジャジャ…と主題歌の前奏が始まると、待ってましたと、多くの人が心の中で叫んでいたのではないでしょうか。長い間、毎週同じ曲を送り続けることができたのは、視聴者が飽きることなく、ドラマとその音楽から大きな影響を得たからでしょう。ドラマと主題歌が融合した好例。100歳万歳!です。


(服部 伸一 エッセイスト・写真家)


集合住宅管理新聞アメニティ404号 (2016年5月号掲載)