マンション銀座歩行者天国

72.大竹しのぶ

歌手としても実力がある♪

 大竹しのぶさんは憂いを持ちつつ、自己を信じてしっかりと生き抜くといった役柄が想起される女優で、多くの優れた映画や演劇に出演している名女優です。
 最近テレビの歌番組で、彼女の歌を聴いたのですが、とにかくうまいのです。数年前にもテレビで聴いたことがあり、その時もうまいなぁと思いましたが、他のことをやりつつのながら聴きでしたので、今回の放映時はきちんと聴く態勢を取って臨みました(少々大袈裟?)。
 そしてあらためて、そのうまさに、スタンディングオベーションをしそうになった次第です。フレーズからフレーズへのつながりがとてもスムーズ。抑揚も自然で、低音は腹から出し、サビの部分ではからだの芯から叫び、肌が響くかのように歌っています。当然なのですが、音程がしっかりとしていて、安定感、安心感があります。


格好だけの歌手が多い♪

 歌番組に出演しているプロの歌手の半数以上は、音程さえも怪しく、歌い方ばかりに気を使い、口先だけの感情移入には辟易します。
 格好をつけているつもりなのかリズムをずらして歌うのはよいけれど、曲と詞の流れを邪魔しており、聴きづらいことこの上ないのです。歌手自身だけが気持ちよいのかしら、といつも戸惑うばかりです。着物を着て歌う歌手は、帯締めを斜めに締めて自己をアピール。
   かつて市丸さんがそれをやっていましたが、市丸さんは本物の粋な世界に居た方。歌手が、帯締めでごまかしてほしくないと思うのは筆者だけでしょうか。


(服部 伸一 エッセイスト・写真家)


集合住宅管理新聞アメニティ406号 (2016年7月号掲載)