マンション銀座歩行者天国

76.ボブ・ディラン

ノーベル文学賞受賞♪

 ボブ・ディランが、ノーベル文学賞を受賞したというニュースを、早朝のTVニュースで知り、他の優れた文学者には申し訳ないのですが、何かほっとし、彼こそ、受賞すべきであると、選考をした委員会の新しい常識に拍手を送りたい気分になり、本当に素晴らしことが起きたと思いました。TVのある番組のコメンテーターが、文学賞というのは本を出版する行為から始まる、というようなことを述べ、ボブ・ディランの受賞に異を唱えていました。彼の詩を文学だと思っている人はほとんどいなかったようですが、メロディーにのせると詞≠ナあって詩≠ナはないと、今までの常識に固執している人には、彼の心を感じる力に欠けているのではないかと思いました。


かたちよりも内容!

 日本のフォークやロックの歌手で、彼の影響を受けていない人はあまりいないのではないかと思うほど、彼の影響を受けて、その後の詞を書いたと思われる作品が多くあります。アメリカでは当時、人種差別やベトナム戦争に対する疑問が噴出し、抗議行動などが各地で行われており、ボブ・ディランはそれに対して、隠喩による詩をシンプルなメロディーに乗せて表現したのです。
 ところで、彼は受賞の連絡に応答せず、ノーベル賞を受け入れるのかといった展開になっていて、周囲はハラハラさせられる事態となっています。


(服部 伸一 エッセイスト・写真家)


集合住宅管理新聞アメニティ410号 (2016年11月号掲載)