マンション銀座歩行者天国

93.聴かず嫌いはありませんか?

心が折れた時に求める音楽♪

 気持ちを落ち着かせるために、あるいは、自分に気合いを入れるために音楽を利用する人は多いのではないかと思います。Tさんは音楽好きで、CDを随分と購入してそれをパソコンに、さらにスマートフォンに移して持ち歩いて気分に合わせて聴いていました。そんなTさんはがんを患い、治療の副作用のつらさに心が折れそうになったそうです。いつもだったら、音楽を聴いて癒しを求めるのですが、音楽を聴く気力もなく、本を読むこともできず、しかし、新聞には目を通すことができたと言います。それは、社会の動きを知りたいのはもちろん、社会と自己とのつながりを強く意識していたのではないか、と自己分析をしています。


心のあり様を支える音楽探し♪

 音楽は様々なジャンルがあります。洋楽と邦楽があり、邦楽というと琴や三味線、尺八、和太鼓などを使った音楽があり、遡ると雅楽や長唄、各地の民謡など多種多様です。歌謡曲、J-POPなどの現代の邦楽もあります。洋楽もクラシック、ジャズからPOPまで多種多様な音楽があり、また、国や地域の民族的な音楽も興味が湧きます。メロディーの美しさ、独特のリズムの楽しさなど知らない音楽が多いのです。多くの音楽を食べず嫌いのままにしておくのはもったいないとTさんは思ったそうで、病気の後、次に病気にかかった時(?)のために、タワーレコードに通ってはジャズ、民族音楽など、今まであまり聴いたことがない音楽をあえて求めているそうです。そして、知らなかった音楽に、とても優れたものがあることを発見していると言います。


(服部 伸一 エッセイスト・写真家)


集合住宅管理新聞アメニティ427号 (2018年4月号掲載)