マンション銀座歩行者天国

95.人生楽ありゃ 苦もあるさ!

二十四の瞳

 1954(昭和29)年に公開された、高峰秀子主演の映画といえば・・・そうです、「二十四の瞳」です。原作は壷井栄。監督・脚本は木下恵介。第二次世界大戦によって翻弄された教師と生徒たちをとおして、戦争の悲惨さと師弟愛、友情などを描いた作品です。当時、小学生だった筆者は、学校の授業の一環として映画館で観ました。その後も数回は観ていますが、歳を重ねるごとにこの作品の重さが胸にのしかかってきます。戦争は絶対にダメです。
 こん映画の音楽は、4月30日に102歳で逝かれた木下忠司さんが手がけました。監督の恵介さんの実弟です。


水戸黄門

 映画「喜びも悲しみも幾歳月」の音楽も忠司さんの作曲、「俺(おい)ら岬の 灯台守は妻と二人で 沖行く船の」、この曲は、作曲はもちろん、作詞も彼が手がけています。佐田啓二と高峰秀子のコンビが最大のヒット要因だったでしょうが、若山彰が声量たっぷりに歌い上げたおかげもあって、映画とレコードは大ヒットしました。
 テレビ時代劇「水戸黄門」の主題歌「あゝ人生に涙あり」、「〽人生楽ありゃ苦もあるさ・・・」は、筆者でも歌えるカラオケの数少ないレパートリーの一つですが、この作詞・作曲も木下忠司さんです。ドラマの土台をよく理解し、主題歌の覚えやすさと歌いやすい平易性、歌詞の普遍性、「水戸黄門」が長く続いたのは、この歌のおかげだったのではないでしょうか。
 忠司さん、天国でも作詞・作曲をお願いします。


(服部 伸一 エッセイスト・写真家)


集合住宅管理新聞アメニティ429号 (2018年6月号掲載)