マンション銀座歩行者天国

98.故人を偲ぶ盆踊り

盆踊り♪

 「危険な暑さ」と気象庁が発表するほどの暑い夏で、熱中症で亡くなった方もいらっしゃいました。そんな中でも各地で夏まつりや盆踊り、花火大会が開催され、多くの人々が故人を偲んだり、それとは関係なくただみんなで楽しんだかもしれません。
 ある団地では、夏まつりの華として盆踊りを行なっています、盆踊りは、各地で教えていらっしゃるK先生に稽古をつけてもらっています。K先生はとても優しく、下手だと思う踊りにも批判はせず、正しい踊り方を伝え、「手が伸びていて、きれいだわ」などとほめます。Aさんは35年前からK先生の弟子を名乗っていますが、いまだに気づくことが多くあるといいます。奥が深いな、と思って一年に一回の盆踊りの本番に向けて稽古に励んでいるそうです。


盆太鼓♪

 一方、盆太鼓はAさんが指導者です。盆太鼓の役割は、踊り手さんがしっかり踊れるように叩くこと。そして盆踊り会場が活気付くように、皮と端をリズムよく、メリハリを効かせて叩きます。ドドンガドン・カラカッカというリズムはどんな盆踊りにも合いますが、Aさんは、さまざまなリズムのバリエーションを叩きます。とくに速い曲をリズムを細かく刻んでが叩くと、いかにも楽しそうで、ハツラツとし元気になるようで、会場中が大いに盛り上がります。
 Aさんは、太鼓が刻むリズムがあの世に届くことを祈って、多くの故人を偲びながら盆太鼓を叩いているといいます。そして、多くの盆太鼓大好き人間を育てています。


(服部 伸一 エッセイスト・写真家)


集合住宅管理新聞アメニティ432号 (2018年9月号掲載)