オリーヴオイルを旅する

7.食卓に根づき始めたオリーブオイル

 北イタリアでは30cmも積もる雹がふり、中部トスカーナ地方では例年にない冷夏となった地中海地方、夏のバカンスに命をかける?イタリアの人びとをこの異常気象は失望させたようです。この気象で気になるのが農作物の生育、とりわけオリーヴへの影響です。燦々と降り注ぐ夏の太陽と適度な降雨がよいオリーヴへの条件、影響が少なからんことを祈るばかりです。




 ところで、健康志向で需要を伸ばしているオリーヴオイル、日本ではいったいどの位の量が消費されているかご存知でしょうか?試しにその殆どを頼る輸入量から推し測ってみました。1990年にわずか4千トンであった輸入量は2013・14年(収穫・搾油が年を跨ぐためこう表記します)には5万1千トンと、じつに12倍を超えるまでになりました。きっかけは80年代後半のイタめしブームと95年ごろのオリーヴオイルブームでした。このデータからすると、オリーヴオイルはすでに日本の食卓に根づき始めたとも言えそうです。とはいえ、この数字を日本の総人口で割った単純個人消費は、年間・一人当たり約4百グラムに過ぎません。地域性や食習慣の違いという要因があるにせよ、これはイタリアの25分の1、スペインの31分の1、ギリシャとの比較では41分の1という結果になります。エキストラバージン・オリーヴオイルを例にとるならば、日本で日常的に食されている植物油に比べ価格は確かに割高です。しかし、健康維持に有益な成分の働きと、身体への負荷が少ない稀な食材であることを考えると油摂取の見直し≠ェ、これからの食生活をより豊かにしてくれるように思います。(M)
(※個人消費試算に使用した人口、輸入量等は、WHО「世界保健統計2014」及びIОCデータによるものです)

(2014年10月号掲載)