オリーヴオイルを旅する

16.オリーブオイルのマリアージュ(3)

〜北の「肉」、南の「魚」?〜

 オリーヴオイルの本場イタリアは、ご存じのとおり南北にタテ長の日本と似通った地形をしています。したがって、食される料理も北と南ではだいぶ異なります。あえて大雑把に括るなら、北の肉食文化圏、南の魚食文化圏と形容できるかもしれません。日本より緯度が高く寒さ厳しい冬を過ごす北イタリアの人たちにとって肉食は最優先のエネルギー源。一方、温暖な地中海気候のシンボルのようなイメージのある南イタリアでは、周囲を海に囲まれている特性から、魚介を中心にした食生活が営まれています。そこで今回は、夏にうってつけ、魚介とオリーヴオイルのマリアージュ。





〜豪快・魚料理「アクア・パッツァ」〜

 誤解を恐れず直訳すれば狂った(パッツァ)水(アクア)≠ニ称されるこの料理、日本で言えばさし詰め漁師料理、材料(別記参照)さえ揃えば、作り方はいたって簡単。
 主役の魚は、イサキやスズキなど今が旬の白身魚。勿論、白身であればタイやカサゴなども美味。そして、できれば一尾丸のままがベター。大きさは、人数にあわせて選んでください。魚は予め中わた、鱗を落とし水気を拭き取って、塩、胡椒しておきます。まず、大きめのフライパンにオリーヴオイル、にんにくを入れ弱火で香りづけします(この時、備えがあれば魚醤を小さじ1杯加えるといっそうコクが出ます)。そこに丸のままの魚を入れ皮目を焼きます。火の通り加減を見ながら魚を裏返します。そこに、あさり、黒オリーヴ、ケッパー、ミニトマト、白ワインを加え、フタをして蒸し煮にします。フツフツと煮立つこの時の様子から狂った水≠フ名が生まれたのでしょう。火が通ったら器に汁ごと盛り付けチャービルなどの香草をあしらい食卓へ。冷えた白ワインとともに、豪快な一皿を!(M)

(2015年7月号掲載)