オリーヴオイルを旅する

20.大不作からの回復はなったか?

◆スペイン・イタリア・ギリシャ、三強にばかり頼れない!

 地中海を取り囲む国々では、いま収穫真っ盛りのオリーヴ果実。まるで悪夢のような不作に見舞われた前の収穫年から脱し、ようやく明るい兆しが戻っているようです。国際オリーブ協会(IОC)によれば、当収穫年のオリーヴオイル生産量は全世界でおよそ290万トン程度と予測されています。これは前収穫年の約239万トンに比べれば20%以上の増加となります。スペイン、イタリアの主要生産国の回復はいまだ十分ではないものの、ギリシャ、シリア、モロッコ、アルジェリア、チュニジアといった地中海沿岸諸国での良作・増産が貢献しているものと思われます。とくにアルジェリアでは今後オリーヴの作付け面積を100万ヘクタール増やす計画に着手するそうです。地中海地域のオリーヴ生産が世界のオリーヴオイルの流通を左右するだけに、こうした施策には大きな期待がかかります。
 さて、日本ではオリーヴオイルについての正しい知識が、まだまだいきわたっていないというIОCの調査結果を前号に触れました。同じ調査から、日本におけるオリーヴオイルへの現況を、際立った特徴を、次号にわたって、いくつかピックアップしてみたいと思います。





◆ピュア≠ヘとても甘い響き?

 設問「ピュアオリーブオイルは最も純度の高いオリーブオイルである」これに対して、どちらかというと≠含め『そう思う』と答えた人の割合は実に約78%。ピュア≠ニいうオリーヴオイルの規格概念はIОCにはもともとないのですが、混じりけのない、純粋なといったピュア≠フ意味や語感が、消費者に誤った理解を与えてしまっている一例と言えます。何度か触れていますが、ピュアオリーヴオイルは一般的にオリーヴオイルと言われるもので、精製したオリーヴオイルにバージン・オリーヴオイルをブレンドしたもの。最も高質なエキストラバージン・オリーヴオイルとは似て非なる、いわば日本独自の表示ということです。ピュアのもつ甘い響きには、くれぐれもご注意を!(M)



 ※文中の調査はIОCが「料理を週に1〜2回する人」を対象に、インターネットによる『オリーブオイルに関する調査』で今年6月に行ったものです。

(2015年11月号掲載)