オリーヴオイルを旅する

23.なぜカラダにいいの?/オリーヴオイルの秘密(1)

 オリーヴの収穫と搾油が済んで、いま地中海沿岸の諸国では、新しいオリーヴオイルの自国内や海外市場への出荷に大忙しといったところでしょうか。さて、今号からはオリーヴオイルが体に良い、と言われる訳を探る旅に出かけましょう。言うまでもなく、ここでも主役は「エキストラバージン・オリーヴオイル」です。





◆類いまれなオリーヴオイルの成分組成◆
 頻度の違いこそあれ、健康のため≠ニいう主な理由から、いまや日本人の約78%が食事に摂り入れていると言われるオリーヴオイル。その根拠はどこにあるのでしょうか? ひと言でそれに答えるならば、オリーヴのもつ、その類いまれな成分組成にある、ということになるでしょう。前にも触れましたが、植物油の殆んどが種子を原材料とするため、加熱や精製といった処理工程を経なければなりません。そのために植物が本来持っている味わいや機能特性などが失われやすいのです。対して、エキストラバージン・オリーヴオイルは、オリーヴ果実そのものを搾って得られるので、その工程で一切の化学的処理を行いません。つまり味わいや機能が失われることなく自然のまま保持されることになります。これが油でありながらもジュースと言われる所以です。

◆過酸化脂質・悪玉コレステロールを撃退◆◆
 さて、ここでオリーヴオイルの成分組成を見てみましょう。ひとの体の維持に必須な三大栄養素のひとつでエネルギーの源となる脂質、オリーヴオイルもその摂取源であることに変わりはありませんが、もっとも際立った特徴と言えるのが、脂質全体の70%以上を占めるオレイン酸の存在です。一価不飽和脂肪酸に分類されるオレイン酸は、体の中で悪さをする悪玉コレステロール(LDL)を回収する善玉コレステロール(HDL)を強化することで知られています。悪玉コレステロールは活性酸素と結びついて過酸化脂質となり、血管内にプラーク(コブ)を作って、血管を詰まらせたり、血流を悪くして、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす要因にもなります。オレイン酸が注目される理由がここにあります。次号は若さ維持の味方、フェノール成分などのお話。 (M)


(2016年2月号掲載)