オリーヴオイルを旅する

26.なぜカラダにいいの?/オリーヴオイルの秘密(4)

◆がんとオリーヴオイル◆
 これまでも触れてきましたが、昨今、オリーヴオイルのさまざまな疾患に対する効用が科学的にも、徐々に明らかになってきています。今回は、がん(とりわけ胃がん)とオリーヴオイルの関係について。
 2014年、厚労省が発表した「人口動態統計」によれば、日本人の死亡原因の第1位は依然として『がん』です。部位別では、男性は肺がん、女性は大腸がんがトップとなっています。また、1993年以来肺がんにトップを譲ったものの、胃がんの罹患率も依然として高いということです。日本人は世界の中でも胃がんの発生率が非常に高い国と言われています。今回は、オリーヴオイルと胃がんの関連について調べてみましょう。





◆オリーヴオイルで、ピロリ菌を撃退◆
 胃がんをひき起す主なリスク要因として、多量の塩分の摂取や過度な飲酒、そして喫煙などが知られていますが、これらをも凌ぐ最大の要因はピロリ菌だということをご存知でしょうか?とりわけ日本では50歳以上の人に高い頻度で発見されると言われています。ピロリ菌は胃に取りついて炎症を引き起こす細菌です。因みに医療の現場では、胃潰瘍患者の90%、十二指腸潰瘍の患者では、ほぼ100%の人にピロリ菌が見つかるそうです。
 1994年、WHО(世界保健機関)はピロリ菌を胃がんの発がん因子に指定するとともに、全世界の胃がんの80%はピロリ菌によるものと発表しました。そして胃がんの予防のために抗生剤などによる除菌の対策を取るよう、各国の保健当局に勧告しました。
 ピロリ菌と胃がんの密接な関わりが判明するなか、オリーヴオイルがこのピロリ菌の増殖を抑える働きがあることが、スペインの科学者によるその後の実験でわかってきました。その主役は先号でも触れたフェノール類。なかでも豊富なポリフェノールの働きが、ここでも注目されることとなりました。さあ、オリーヴオイルにピロリ菌撃退のひと役をかってもらいましょう。(オリーヴオイルはエキストラバージンを指しています)(M)


(2016年5月号掲載)