オリーヴオイルを旅する

27.オリーヴオイルが支える/『地中海型(健康)食生活』(1)

 今号からは、不本意ながらも、かつてのダイエットブームの火付け役ともなった「地中海式ダイエット」とオリーヴオイルの密接な関係について旅します。“不本意“と書いたのは、皮肉にも、ダイエットの意味が、誤解されたままブームを生んでしまったことを指しています。


◆ダイエットを誤らないで◆
 ダイエットと言えば“減量”や“痩身”のこと、と考える方も多いのではないでしょうか?ギリシャ語源の生活様式といった意味から転じたこの言葉、本来は「食事(餌)療法」を意味するものでした。つまり、健康のための「食事法」であり、「食習慣」を表わす言葉なのです。ところが日本では、肉食を中心とした食生活の欧米化などが著しく進んだことによって、肥満やそれに伴う糖尿病や心臓疾患などが増加して、対策が急がれることになりました。結果として、物理的な肥満治癒対策としての減量や痩身が究極の目的と誤った理解を生んでしまったようです。
 こうした風潮に大きな一石を投じたのが多彩な食材をバランスよく食べて健康なからだを維持する、地中海型食生活=地中海式ダイエットでした。





◆基本の食材はオリーヴオイル◆
 以前、本欄でも取り上げましたが、オリーヴオイルを中心とした食生活で、世界でも有数の長寿の島、エーゲ海のクレタ島。一九六〇年代、そのクレタ島の人々に心臓疾患による死亡率がアメリカなどに比べて極端に低いことに注目したアメリカ・ミネソタ大学のアンセル・キースという教授の研究結果をきっかけとして、地中海型食生活への関心が俄然高まりました。当時その地域の食生活は決して豊かなものとは言えなかったようですが、クレタ島にみられる地中海型食生活が、予防医学的モデルにも例えられることになったのです。地中海型食生活は、その後、ハーバード大学のウィレット教授によってさらなる研究と体系化が図られ、一九九三年に発表された『地中海型食生活のピラミッド』(別図参照)へと結実することになります。なにをどのくらい食べるべきか、日々の食事の構成をピラミッドにして示したものですが、その中心をなす食材がオリーヴオイルなのです。続きは次号にて。 (M)


(2016年6月号掲載)