オリーヴオイルを旅する

28.オリーヴオイルが支える/『地中海型(健康)食生活』(2)

 つい先日、気になるニュースを目にしました。米ハーバード大学T・H・チャン公衆衛生大学院のワン・ドン氏らによって飽和脂肪酸は体に悪い≠ニする、米医学誌「JAMAインターナショナル・メディシン」に、30年間に及ぶ研究の結果として発表された論文です。論文は、「飽和脂肪酸やトランス脂肪酸をより多く摂取している人ほど、同量のカロリーを炭水化物から摂取している人に比べて死亡率が高くなる」と報告しています。とは言え、飽和脂肪酸の摂取を全否定している訳ではなく、抑制的に摂るべき必要があるという警鐘と言えるようです。


◆不飽和脂肪酸へシフトしましょう◆
 飽和脂肪酸はバターやマーガリンをはじめとする乳製品や牛脂、ラード、赤身肉など動物性脂肪に多く含まれる、とても身近な脂肪酸です。しかし、例外もありますが、一般的に飽和脂肪酸は血液中の中性脂肪やコレステロールを増やす働きをします。従って飽和脂肪酸の過剰な摂取は動脈硬化を惹き起こしたり、さらには、脳出血や脳梗塞、心筋梗塞などつながったりすると言われます。こうした背景もあり、前述の研究論文は、バター、ラード、赤身肉などに含まれる飽和脂肪酸を、オリーブオイルや菜種油、大豆油などの植物性食品の不飽和脂肪酸に置き換える≠アとは、「健康上の大きな恩恵」となるとも報告しています。


◆脂質は不飽和≠ェ地中海型食生活◆
 ご存じの通り、脂質は蛋白質、炭水化物と並んで生命維持にとって必須な栄養素。そして脂質の摂取の目安は、一日に必要な総カロリーの20〜30%とされています。日本人の平均的脂質の摂取状況は、25%と言われます。あくまで平均的な数値ですが魚介類を多く摂ってきた食生活が、脂質のバランスをも保ってきたことが大きな要因と考えられます。その意味で、同様に豊かな海の幸を中心とした地中海地域の食生活が日本と重なるように思われます。ただ、ひとつ異なっているのが、地中海地域では、不飽和脂肪酸の雄・オレイン酸を多量に含むオリーヴオイルが、その中心をなしてきたことでしょうか? 次号は、ちょっと怖いトランス脂肪酸を取り上げます。(M)




(2016年8月号掲載)