オリーヴオイルを旅する

32.きのこが奏でる美食のハーモニー〜ポルチーニとオリーヴオイル〜

◆ポルチーニは禁断の味◆

 イタリアでそしてヨーロッパでキノコの代表選手といえば迷わずポルチーニ。和名でヤマドリダケと呼ばれるこのきのこ、マツタケ同様に栽培ができないため、自生しているものを探しあて自然採集するほかありません。だから、キノコ狩りの達人たちは、たとえ親子であってもその生える場所を教えないそうです。それほど貴重なポルチーニだからこそ、ヨーロッパの人々は、この自然がくれた恵みの到着の秋を、毎年待ち焦がれているのでしょう。さて、旬の味覚を愛でるにはもちろん生がいちばん。生ポルチーニが出回るころになると、イタリアのレストランやトラットリアの厨房からは、ポルチーニの芳香が漂ってきます。フリット(フライ)にしたり、ソテーしたりと、レシピはただただシンプル。サクッ、じわっ、樹木や土に育まれた香りとともに、心地よい食感に満たされます。さて、日本で生は手に入りにくい。そこで、一年中使えて日本でも手に入れやすくなった乾燥ポルチーニとオリーヴオイルがコラボしたスパゲッティレシピをご紹介。


◆旨味は乾燥にあり◆
 たかが乾燥と侮るなかれ。これがどうしてどうして、味わい深い優れもの。昆布やどんこなどと同様、干すことによってうまみ成分が大増量。まずは乾燥ポルチーニを水で戻します(戻し汁は旨味の宝庫、捨てないで!)。フライパンでオリーヴオイルとにんにく、鷹の爪を温めます。そこに適度な大きさに切ったポルチーニを入れ中火で炒めます。好みでイタリアンパセリなどを加え、塩で味を調えます。そこに別に茹でたスパゲッティを加えて和えながら、先の戻し汁を適量注ぎます。仕上げにパルミジャーノ・チーズを加え合わせたら、芳醇な香り漂う『ポルチーニの芳香スパゲッティ』の出来上がり。さあ召し上がれ、ボナ・ペティート! (M)





(2016年12月号掲載)