オリーヴオイルを旅する

35.“偽物”にご注意!(その2)〜品質と価格の関係を探る〜

 先日、パソコンでネットを操っていたら「オリーブオイルはヘルシー」は大嘘≠ニいう記事に遭遇して仰天しました。植物油の研究家だというその筆者は、街のイタリアンやスペイン料理レストランでふんだんに使われているエキストラバージンオリーブオイルもほとんどが偽物≠ニまで断じていました。高いエキストラバージンなどふんだんに使えるはずがない、だからニセモノという意見なのでしょう。真面目なレストランの経営者やシェフが目にしたら目を回してしまうのではと心配になりました。もちろんいろいろな意見があってもよいのでしょうが、健康への効果の話と偽物論議が混濁してしまっていて、結論をオリーヴオイル性悪説に導くといった見解でした。


◆地中海型食事が健康効果の原点◆

 先号でも触れましたが、残念ながら街場には確かにまがい物が結構出回っています。それを見分けるのもなかなか難しいです。だからと言って希薄な根拠によってオリーヴオイルすべてを悪者に仕立てるのはいかがなものかと思います。以前にも触れましたが、オリーヴオイルの健康効果の原点は、肉類は少なく、魚介類をベースに穀類や野菜、果物などをバランスよく摂る地中海型の食生活にあります。抗酸化物質の働きによる老化の抑制や様々な生活習慣病への抑止効果など、長年の研究によってエキストラバージン・オリーヴオイルのさまざまな効用が実証されています。だからといって、盲信的なエキストラバージン信仰での一度に過度な摂取はおすすめできませんが、要は、日常の食生活に上手に取り入れることが大切になってくるということでしょう。


◆真正のエキストラバージンは確かに高い=
 オリーヴオイルがエキストラバージンと呼ばれるためには、実の収穫から搾油を経て、ろ過、貯蔵に至るすべての工程を厳密な基準にしたがって作られ、品質と成分規格にも合致しなければなりません。手間暇かけて作られた真正品だからこそ理由があって高くなる訳です。ただ、いずれにしても消費者が賢い目と判断力をもって、製品を見極めなくてはならないことに変わりはありません。ことは食の問題≠ィろそかにはできません。すこし難しい見分けのコツはあらためて。 (M)


(2017年3月号掲載)