オリーヴオイルを旅する

36.“本物・良質”を見分ける!(その1)

 もう10年位前になるでしょうか?筆者は長靴のイタリア半島のカカトにあたるプーリア州の州都バーリにほど近いアンドリアという街のフラントイオ(オリーヴオイルの搾油所)を訪ねたことがあります。この地域一帯はイタリアでも名だたるオリーヴオイルの名産地です。少々オーバーになるかもしれませんが、州全体がオリーヴ畑といった印象の地域です。その搾油所でお会いしたNさんは、イタリアでもっとも優れた五感の持ち主と評される、いかにも健康そうな初老の男性。なぜ五感の話かというと、真正で本物のエキストラバージン・オリーヴオイルは、このような優れた持ち主の五感を通過してこそ、はじめて消費者へ届けられることが許されるのです。つまりNさんは良質なオリーヴオイルを嗅ぎ分ける最も優れたテイスター≠セったのです。


◆外見と中身の合致を探る◆

 昨今、偽物エキストラバージン・オリーヴオイルの蔓延が憂慮される中、わたしたちはどうしたらNさんのようなテイスティングを通過した本物を見分けことができるのでしょうか?以前、このシリーズ「賢いオリーヴオイルの見分け方」でお話ししたエキストラバージンであることやDОP(保護原産地呼称)規格認証製品であること、そしてBIО(有機農法)認証製品であることなどは外見で判断が可能(産地や製法、品質などに偽装がないことが前提ですが)です。でも、中身がその表記と一致しているかどうかまでは、消費者には判断が難しいのが現実です。また、前述の認証や基準のすべてがわが国においても共通な尺度かというと、それも異なります。では、どうしたら…? 



テイスティングブース


◆ブランド、産地、生産者 そしてNさんを探そう◆
 ご存じのようにオリーヴオイルの大半は輸入製品です。そしてさまざまな規模の生産者によってつくられるので、ブランドや生産者の認知度は必ずしも高くありません。でも、いまやインターネットが情報収集の便利なツール、ネットで辿れば、一定の情報が得られます。誠実な生産者や信頼度の高い企業には、品質の管理に妥協しないNさん≠ェ必ずいます。そうした生産者による製品の受賞歴データも、本物・良質を見分ける目安となります。続きは次号で。  (M)


(2017年4月号掲載)