オリーヴオイルを旅する

38.“本物・良質”を見分ける!(その3)〜テイスターはつらいよ〜

 オリーヴオイルひとつ選ぶのに、なぜこんなに面倒な知識が必要なのか? そんな声が聞こえてきそうですが、オリーヴオイルを嫌いになっていただきたくありませんので、いま暫らくおつきあいください。さて、今回は製品の品質を判定する陰の番人、オリーヴオイル・テイスターに課せられたキビしくも、過酷な条件のお話です。


◆テイスティングは、絶対朝食前に◆

 前号では、バージン・オリーヴオイルについて欠かせない「官能検査」の方法についてについて触れました。じつはテイスターにとって、この検査に取りかかる以前の行動がオリーヴオイルの良否を決めるカギとなるのです。
 オリーヴオイルをテイスティングするのに最も適した時間帯は"朝”と言われます。朝、食事を摂る前は嗅覚や味覚が研ぎ澄まされているという理由からです。それ以降はそうした感覚が鈍くなっていきます。そのためテイスターは予定された時刻よりも早めにティスティングルームに入れるよう務めなければなりません。そして次のような条件を守ることが求められます。


◆あらゆる匂いが敵なのです◆
 検査開始の少なくとも30分前からはコーヒーやタバコは禁止です! 検査開始時に匂いの残る香水や化粧品、石鹸の使用はご法度です! 手を洗うときは無香料の石鹸を使わなければなりません。そうなのです、体からあらゆる匂いを取り除くまで、必要なだけ手を洗い、乾燥状態にしておかなければなりません。こうして、はじめてテイスティングに臨む条件が整い、テイスティングルームの扉を開けることが許されるのです。テイスターに課せられたこうした試練、ひとえにオリーヴオイルの真正さを伝え、誤った情報でオリーヴオイル嫌いを生まないための試練なのです。こうした陰の力に支えられるオリーヴオイル。テイスターさん、これからもたゆまぬ努力を、願って止みません!(M)


(2017年6月号掲載)