オリーヴオイルを旅する

41.『今年も収穫間近、オリーヴの果実』〜良質なオリーヴオイルの造られかた〜

 四季は日本と同じようにめぐりながら、より温暖で知られる地中海性気候。夏のバカンスに沸いたあとのこの地域は、オリーヴやブドウの収穫の季節になります。日本だけでなく、世界的な気候変動の影響も心配されますが、この地域を代表する農産物が豊穣であることを祈りたいものです。そこで今号は、オリーヴオイルはどのようにしてつくられ、わたしたちの食卓に届けられるのかをおさらいしたいと思います。


◆種類が違うの?緑と黒◆

 オリーヴの木は、通常3月から4月にかけて蕾がつきはじめ、栽培や地域による違いはあるものの、5月から6月に開花を迎え、その後実をつけます。
 そこから、順調な生育期に入ったオリーヴの果実は、緑色から黄色、黄色から紫色へと成熟、変化して最後には黒味を帯びた濃紫色になります。(そう、食品店などで販売されている緑や黒のオリーヴの実、じつは種類の違いではなく、元をただせば同じものという訳です)こうしたプロセスを経て、一般的には10月下旬から12月にかけての収穫期を迎えます。


◆手摘み?機械摘み?悩ましい収穫法◆
 オリーヴの実は、極めてデリケート、粗雑な扱いは苦手です。理想的な収穫法はやはり手摘みと言えますが、機械での収穫に比べて人件費のコストがかなり膨らみ、一説によれば、それは全生産コストの60%を占めると言われます。しかも、この理想的な収穫法は低木にしか向かないという不利な条件もあります。加えて、果実が傷まないよう収穫時間と闘いという制約が重なります。一方機械摘みには、短時間で大量の収穫が可能な反面、「バイス」と呼ばれる機材を使い、動力で木を揺らして実を落とすので、果実の傷みなど、収穫量の20%程度のロスが出ると言われます。また、長年、振動を与えることによる「木の健康」への懸念も生じます。つまりはどちらの選択も悩ましい、という訳です。次号、製造に続きます。〈M〉




(2017年9月号掲載)