オリーヴオイルを旅する

42.『期待できるか?今年の収穫』〜良質なオリーヴオイルの造られかた(2)〜

◆今年は良作? オリーヴ果実◆

 オリーヴは一年おきに良作、不作を繰り返す。以前、このことについて触れたことがありますが、そのサイクルからすると今年はよい巡りの年。ただ近年、オリーヴの手ごわい敵、ピアーズ病菌などの被害により、全体としては収穫量が落ち込んでいました。イタリアで最大の生産量を誇り、イタリアにおける生産者価格の国際指標となっている、プーリア州・バーリ県では、昨秋から今年初頭にかけて生産されたオリーヴオイルの生産者価格が、前期に比べて50%以上も高騰してしまいました。これではイタリア産の真正なオリーヴオイルの消費者価格が上昇するわけです。


◆時間とのたたかい、収穫から搾油◆

 さて、ここからは前号の続きです。収穫されたオリーヴの果実は、実の劣化を防ぐため、おそくとも24時間以内には搾油への工程に入らなければなりません。フラントイオと呼ばれる搾油所では、まず、果実をオイル用と加工用に分ける「選別」と、混じっている芽や小枝などを取りのぞく「洗浄」が行なわれます。洗浄された実はエッジランナーと呼ばれる石臼か、それより効率の高いカッターなどによる「粉砕」(ふんさい)・「破砕」(はさい)と呼ばれるすり潰しの工程にかけられペースト状にされます。このペーストにはまだ、実も種も混在しています。そして、ここからが最も神経を使う「撹拌」(かくはん)の工程へ進みます。マラキシングと呼ばれる撹拌のこの工程を経ることにより、油分が集約されて搾油がしやすくなります。同時に果実の固形分からは香りや栄養成分が油分に溶け出して、これにより熟成が促され、オイルの風味や品質が決定づけられます。〈M〉


(2017年10月号掲載)