オリーヴオイルを旅する

45.〜”ピザ“は、どこからやってきたのか?”〜

◆ピザоrピッツァ?◆

 オリーヴオイルから少しそれますが、イタリアを旅したら、ぜひ本場の“ピザ”を食べてみたい!という思いでもなかったのですが、つい空腹に耐えかねてのドロップ・イン。ところはミラノ、たくさんの尖塔でことに有名なドゥオモ(一般には司教座のあるキリスト教会をこう呼ぶ)にほど近いピッツァ屋さん「スポンティーニ」(因みに、イタリアでは“ピザ”は通じません、“ピッツァ”と言いましょう)。ときは1953年、イタリアでいち早くイートインとテイクアウトというスタイルを取り入れ、業態の先駆けとも称される“老舗”ピッツェリアです。
 昼時の混み合う店内をかきわけて、ピッツァの定番マルゲリータと、ノドの渇きにビールを注文。カウンター越しに受け取ったのが写真のピッツァ。これまでナポリ・ピッツァ (ご存じ、直径30センチもあろうかというお盆のような円形ピッツァ)とローマ的?ピッツァ(これは長さが1mはあろうかという長楕円形に焼いたものを切り売りするタイプ)しか知らない筆者には、少々カルチャーショック。でも、考えれば、そのマルゲリータはカットした日本の宅配“ピザ”と同じようなものだった。しかもこのお店、今から2年も前に、われらが原宿にもすでに出店してたというではないか、ニュースに疎いわが身を悔悟。しかし、これが本場のピッツァだろうか?


「スポンティーニ」のマルゲリータ
 「スポンティーニ」のマルゲリータ


◆ピッツァの進化◆

 ピッツァの原型は古くはローマ時代に遡れると言われる。もちろん、いまのようにトマトソースや様々なトッピングをほどこしたものではなく、小麦粉を平たく焼いたパン状の上にラードなどを塗った、極めて素朴でシンプルなものだったようだ。それが現代のようにおいしく進化してきたのは、自国の貧しさを逃れてアメリカに渡った。多くは南部イタリア人移民の力によるところが大きいようです。自国の食を異国の食文化に融合させ、さらには、食のグローバル化という追い風に乗り、ピッツアを“ピザ”の名とともに、世界の食に押し上げた。イタリア人のしたたかな一面をみる思いです。
 ミラノのピッツァをほう張りながら、いにしえに思いをはせたひと時でした。 <M>


(2018年1月号掲載)