オリーヴオイルを旅する

46.〜ローマでユダヤ風料理を味わう〜

 「オリーヴオイルの生産者価格が下落」オリーヴオイル愛好家にとっては、久しぶりにうれしいニュースが入ってきました。近年、病害虫の被害などによって、主要な生産国を抱えるEU内では、生産量が大幅に減少、価格の高騰が続いていました。それが、2017/18収穫年は前期比4%の増産に転じたのです。これに伴って、生産者価格も最大の生産国スペインは横ばいながら、イタリアで前期比29%と急落、ギリシャをはじめ地中海沿岸諸国も軒並み下げるなど、わたしたちが手にする消費者価格に反映される期待が高まっています。価格の高騰はいきおい偽物やまがい物の横行につながります。こんかいのニュースは、その意味でもうれしいかぎりです。さて、先号に続いて、イタリアの旅で出会ったオリーヴオイルが名脇役のおいしい料理をご紹介しましょう。


◆アーティチョークはローマの味◆

 イタリア・ローマで欠かせない季節の食材の一つにアーティチョークがあります。秋から冬、春から初夏と二度の旬が味わえるこの食材、イタリアではカルチョーフィと呼ばれます。和名はチョウセンアザミ。晩秋ともなればローマの市場の店頭にはこれが山のように積まれます。日本ではまだなじみの薄い食材ですが、ローマっ子にとっては、めぐる季節の象徴的な食材でもあります。さて、“松かさの大将”とでも言えそうなその姿かたちから、どんな料理が想像できるでしょうか?


◆煮る、そして揚げる?カルチョーフィ◆

 カルチョーフィの外側は鱗状の硬い表皮が重なります。煮物にする場合はこの表皮を剥ぎ、芯に近い中身だけを食します。これが季節料理として食べる場合の一般的なな食べ方
。これもなんとも言えぬ独特なおいしさ。ところが揚げ料理の場合はもっと大ざっぱ。外側のごく硬い皮だけを取り除き、頭の部分を少しカット、それをエキストラバージン・オリーヴオイルの海へゆっくり沈ませます。あとはじっくり揚がるのを待つだけ。濃いきつね色へと変わりながら、額がバラの花びらのように開花します。油分をきりそのままの形で食卓へ。それがこの写真。皮のカリカリとした触感を楽しみフォークを置いた筆者に、中は食べないのか?とカメリエレの問い。そうなのか!と、芯と思って残した部分が、この料理の真骨頂、茎まで食べられる柔らかい、まるで里芋のようなおいしい食感に二度びっくり。因みに、これが有名なユダヤ風カルチョーフィの食べ方でした。 <M>


ユダヤ風カルチョーフィ
 ユダヤ風カルチョーフィ


(2018年2月号掲載)