オリーヴオイルを旅する

47.イタリアのシンプル・イズ・ベスト〜パスタ「カーチョ・エ・ペーペ」〜

 料理を芸術の様式にまで高めたのがフランスだとすると、イタリアはおそらく西洋料理の母というべきかもしれません。ナイフとフォークという道具をはじめて食事に取り入れたのもイタリアであるし、ローマによる平和、いわゆるパクス・ロマーナによってブドウ栽培がガリア(現在のフランス地域)に移入されることで、料理とのマリアージュという発想をワインワインに持ち込んだのも、その基礎はイタリアにあったと言ってもよいのかもしれません。食に限らず、帝国ローマは良きにつけ悪しきにつけ、その影響を現代にまで及ぼし続けているようです。さて、帝国の面影とは別ですが、前号に引き続き、オリーヴオイルが味わいを際立たせるローマの象徴ともいうべき料理をご紹介しましょう。


◆シンプル素材が醸す絶品パスタ◆

 いまや日本でもおなじみのカルボナーラ、アッラビアータ、アーリオオーリオと、ローマを代表するパスタレシピは多彩です。なかでも、とびきりなのが「カーチョ・エ・ペーペ」。その魅力は、シンプルながら食べ飽きないその食感。カーチョとはおもに南イタリアで表現されるチーズのことなのですが、これにペーペ=コショウと塩を加えただけの極めてシンプルなレシピ。しかし、シンプルさに独自な手を加えるのも、この料理を提供するレストランの技。とはいえ、ベースから外れるとカーチョ・エ・ペーペとは言えなくなります。


◆作り方は簡単、白ワインがピッタリ◆

 使うチーズは羊のペコリーノ、これをすりおろしておき、スパゲッティなどのパスタを塩を加えた湯で、少々アルデンテに茹でます 。幾分水けを残して湯切りしたパスタをすりおろしたチーズに黒コショウと共に和えます 。材料が絡んだ頃合いに、もちろんエキストラ・バージンオリーヴオイルをかけて出来上がり。チーズが固まらない熱いうちに食べるのがベスト。合わせるのは白ワイン、シンプルながら、飽きのこない味わいがクセになります。 <M>


パスタ「カーチョ・エ・ペーペ」
 パスタ「カーチョ・エ・ペーペ」


(2018年3月号掲載)