オリーヴオイルを旅する

48.「神話」にしないでオリーヴオイル
  〜日本の食卓を変えるEXV〜

 オリーヴオイルの登場は、日本の食卓を大きく様変わりさせました。いまやキッチンやテーブルにオリーヴオイルがあるのも、ごくごく自然。そんな中、今年の2月、国際オリーヴオイル協会(IOC)は、日本におけるオリーヴオイル輸入の変遷と現況についてスポットを当てリポートしました。そこから見えてくるのは日本人の食の意識の変化です。しかし、健康志向の高まりを大きな理由とするこの変化、オリーヴオイルなら何でも良しといった、いわば盲目的な神話化が進んではいないでしょうか?


◆15年でなんと15倍◆

 この数字は、IОCによる、この15年間におけるわが国のオリーヴオイル輸入量の増加を示したデータです。ピークは3年前の約6万2千トン。このうち食用として最も適性の高いエキストラバージン(EXV)、バージンの占める割合は7割強。この数字からも食卓におけるオリーヴオイルの日常化が窺えます。


◆健康志向の陰に隠れる紛(まが)い物◆

 しかし、昨今懸念されているのが、高品質が売りのエキストラバージンを騙(かた)ったり、産地を偽装する紛い物の存在です。一説には、スーパーマーケットなどで売られている低価格のエキストラバージンのあらかたは、品質の劣る混ぜ物であったり、評価の高いイタリア産と偽装している、といった極端な説まで横行しています。筆者もスーパーや高級といわれる食料品店をよく訪れますが、エキストラバージンが「なぜこんなに安いの?」と驚くことがよくあります。以前にも書いた通り、本物のエキストラバージンが市場に出回るまでには、厳格な生産基準と安全な品質管理というハードルをクリアしなければなりません。それゆえ、コストも必然的に高くなります。
 安易に価格の安さに飛びついたり、ごまかし表示に騙されたり、そしてエキストラバージンを健康維持の神話にしたりのないように、かさねて注意を呼びかけたいと思います。できれば、このシリーズ22号「オリーヴオイル必携10箇条」などのご再読を! <M>


オリーヴオイルを旅する


(2018年4月号掲載)