オリーヴオイルを旅する

49.その選択、間違ってませんか?〜色、そして品質を考える〜

 パソコン、タブレット、スマホなど、これらを介するインターネットの圧倒的な普及によって、いまや世界は情報の坩堝(るつぼ)。筆者も少なからずお世話になっているひとりでもありますが。こうした環境は即ち、階層にかかわらず誰でもが情報の提供者であり、受け手でもある社会ということになります。しかし、溢れる情報には、真実でないもの、悪意が込められたものまでもが混じり合っています。そこで求められるのが、情報の真贋(しんがん)を見抜く利用者側の客観的な視野ではないでしょうか。


◆色で決めてよいのかオリーヴオイル◆

 ある日、パソコンでネットを検索していたら、最近話題の野菜ソムリエ、栄養士などの肩書を持つ方が、とある質問に答えたこんな記事が載っていました。「オリーブオイルの実はグリーン(中略)、良いオイルほどグリーンです」、「だからキレイなグリーンのものを選びましょう」と結んでいました。色が味や品質の決め手と言うが如きこの意見、前段では、オリーヴオイルの身体への良い効果について語っていただけに、とても残念な気がしました。結論から先に言えば、“オリーヴオイル、とりわけ“エキストラバージンの味や品質は色で決められるものではない”ということです。つまり、これは確かな裏付けを欠いた誤った情報だったということになります。


◆色の違いは味わいのバリエーション◆

 このシリーズ第41回でも触れましたが、オリーヴの実は熟すほど緑から黄色、そして紫から黒に近い濃紫色へと変化します。そして、その成熟過程に伴って、味や香りが変化し、それぞれの好みに合ったオリーヴオイルを選択できる訳です。つまり色の変化は、オリーヴオイルを選択する際の幅広さ、奥深さを示すバロメーターと言える訳です。蛇足ながら“オリーヴオイルは遮光性の高いダークボトルに入ったものを選びましょう”とこれまで言ってきました。これでは中身の色を見分けることは困難です。繰り返しになりますが、エキストラバージンであることをはじめ、いままで触れてきた選択時のポイントを繰ってみてください。 <M>



(2018年5月号掲載)