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7.日本の科学技術の粋を集めたロケットの打ち上げ

展望台
展望台

世界一美しい宇宙基地といわれている種子島宇宙センターを訪ねて

3月11日に日本初の有人宇宙施設「きぼう」の船内保管室を乗せた米スペースシャトルがNASAによって打ち上げられ、前月の2月23日にはインターネット通信衛星「きずな」を乗せた日本の大型ロケット「H2A」14号機が種子島宇宙センターで打ち上げに成功した。これにより「H2A」の打ち上げは平成17年2月以降、連続8回の打ち上げに成功したことになり、日本の宇宙への夢は好調を続けている。

それにしても「ロケットが何故種子島なんだろうか?」という疑問もあって、種子島宇宙センターを訪ねてみた。

宇宙センターのシンボル
宇宙センターのシンボル
実物のロケット
実物のロケット

日本のロケット打ち上げ基地は、鹿児島内之浦(昭和45年日本初の人工衛星「おおすみ」を打ち上げ)と種子島の2カ所にあるが、ここ種子島宇宙センターは昭和44年旧宇宙開発事業団の発足とともに設立され、以来、日本最大の宇宙開発施設として知られるようになった。

また、ここは種子島の水のきれいな海岸線に面しているため世界一美しいロケット打ち上げ基地として有名なのだそうだが、実はここが@沖縄返還前の日本の東南端に位置し、Aロケット打ち上げが地球の自転エネルギーを利用するため東南方向への発射に対して海上等の安全に支障がなく、Bできるだけ赤道に近く、C電力や水源が確保できる、などの理由から種子島が選ばれたとのこと。

この宇宙センター内には、小型・中型・大型ロケット発射場、ロケット組立棟、発射管制棟、総合司令棟、ロケット追尾設備等々の他、宇宙科学技術館(将来を担う青少年に宇宙開発や宇宙に対する希望・夢・興味を抱かせる施設としてオープン)、全長50m・直径4mのH−Uロケット実物大模型などがある。広大な施設内を案内してくれる無料バス(約1時間)や一望できる展望所等もある。ロケット打ち上げ時には、所定の場所から見学できるようになっているので、予定日時を確かめて行くと打ち上げの臨場感を体験できる。

離島で多少不便なところなので、ここを訪れる人もあまりいないと思っていたが、リゾートを兼ねた家族連れやサーバーの若者で結構賑わっていた。宇宙センターに勤務する恋人に会いに来たという若い女性の姿もあった。


鉄砲伝来の影に  悲しい島娘の物話が

種子島は鹿児島の南方約100キロに位置し、亜熱帯性気候のためガジュマルやソテツなどの南方系植物が繁茂して、エメラルド色の海と白い砂浜が印象的。人口約3万5千人。特産物は、種子島柴いも等の農産物、あおりいか、キビナゴ等の海産物、焼酎などなど。

また、種子島といえば鉄砲伝来で有名だが、その影には悲しい女の物語があった。ポルトガル人を乗せた船が種子島に漂着。そのポルトガル人から入手した鉄砲を国産化しようと、島主「種子島時堯」が島の鍛冶工に命じた。しかし鉄砲の製造は簡単ではなく、困り果てた鍛冶工は娘をポルトガル人の嫁に差し出して秘技を教わった、という悲壮な話だが、以来鉄砲(火縄銃)といえば「種子島」と言われるようになり、日本の歴史を大きく変えた。(K)

島内のサトウキビ畑風景
島内のサトウキビ畑風景
ホテル前の砂浜
ホテル前の砂浜

アクセス

鹿児島空港から種子島空港まで約35分、種子島空港から宇宙センターまで車で約40分。ジェットフォイルの海路もある。島内はレンタカーを利用するのが便利。

宿泊

宇宙センターまで車で約7分の「コスモリゾート種子島いわさきホテル」が便利。前面に美しい砂浜が広がっている。ここから車約10分に町営の日帰り温泉もある。

(2008年4月号掲載)