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14.東京駅丸の内駅舎がついに復元・完成(東京都・千代田区)

北側ドーム内装
 北側ドーム内装

東京駅の歩み〜終戦まで

 東京駅は、東海道本線と東北本線間をつなぐため、新橋駅と上野駅の間に誕生。首都にふさわしい駅として、丸の内側に3階建、鉄骨赤レンガ造の駅舎が1914年(大正3年)に完成した。
 建物は鳥が翼を広げたような形で、長さは約335m。両翼先端にはドーム型の屋根が取り付けられた。赤レンガが醸し出す重厚な建物外観のみならず、干支の彫刻が飾られるなど、内装も意匠性の高いものであった。
 関東大震災にも耐えた丸の内駅舎であったが、1945年(昭和20年)の空襲により、ドーム型の屋根と内装を焼失。戦後、応急的な処置として、焼けた3階部分を撤去し2階建てとし、ドーム型の屋根は寄せ棟型の屋根に変え、内装も戦災で傷んだままにされた。

甦ったドーム屋根
甦ったドーム屋根 


復元が決まるまで 

 建物は、高度成長期やバブル期に、高層ビル化する計画が持ち上がり、その都度「解体か保存か」で大きく揺れたが、1988年(昭和63年)に国土庁(当時)が「現在地で保全」の方向を打ち出し、2000年(平成12年)には東京都とJR東日本の間で、駅舎を復元することで合意。2003年(平成15年)には国の重要文化財にも指定されている。

新しい東京駅 
 
 工事は、創建時の姿に戻しつつ、建物が100年さらにもつような工事も進められた。
 既存の1、2階部分は保存し、焼失した3階部分とドーム屋根を復元。南北ドーム内は、干支のレリーフや鷲の彫刻など当時の写真を参考に忠実に再現した。これらの内装は、丸の内北口、南口それぞれを入ってすぐのところで見られる。
 一方、建物を長持ちさせるため、地震のエネルギーを吸収するアイソレーターを設置し、建物の免震性も高めている。

 また、改札内1階中央部には新たなエキナカ施設「セントラルストリート」が開業。旅や出張に役立つアイテムや選りすぐりの土産物を揃えた。  東京駅は目的地までの経由駅として利用されることが多いが、目的地としても楽しめる場所に生まれ変わっている。


(2012年10月号掲載)