新工法紹介

ラスカット工法

タマガワ

給水管の腐食を防ぐ、電気防食システム/電気防食技法による給水管延命改修工法
 最新のマンションでは給水管に樹脂管やステンレス管が使用され、サビや劣化の問題が少なくなっているが、それ以前の集合住宅では鉄管が多く使われている。サビの発生を抑えるためライニング鋼管を使用する建物も増えたが、継手部分など鉄が露出し水と接触する部分は、サビによる腐食が発生し、赤水や漏水の原因となっている。
 これらの対策として給水管は更新工事や更新までの延命措置としてライニング更生工事等が多く取り入れられてきた。
 ただ、更新工事では配管交換によって漏水の解消やその後の耐久性などが得られるが、費用や工期、騒音、建物の一部解体など居住者にかなりの負担も発生する。
 一方、ライニングによる更生工事の場合、更新工事に比べ費用や工期など居住者の負担を軽減し配管の延命を図るが、既設管の状態や工法によっては再び腐食が進み、10年程で更新か更生の判断を迫られる場合もある。


ラスカット工法の仕組み

給水管電気防食システム
「ラスカット工法」

 修繕工事の中でも特に大変な工事と言われる給排水管工事は、更新、更生、薬品による延命など、工法についても様々な開発が進められているが、そのなかで「電気防食法」と言われる電流の作用で水と接する環境にある配管の鉄部分の腐食を防ぎサビの発生を食い止め、配管の寿命を延ばす工法として注目される「ラスカット工法」がある。
 開発元はタマガワ(株)・創業110年(東京都品川区・高橋寿江社長)で同工法により国土交通省所管(財)建築保全センターの技術審査証明および、特許も取得している。


電気防食法とは

 金属の表面は数多くの電極から成り立っており、水に触れることで水や酸素の影響によって微弱な電子の移動が起こる。それにより金属表面が電池状態(局部電池)になり電流が流れ、それに伴う化学反応によって金属は腐食する(サビの発生)。電気防食法はこの腐食電流を打ち消すように金属表面に電流を送り込むことで金属の腐食を止める方法で船舶、湾岸施設、化学装置などの防食法として100年以上前から広く用いられている。この作用を給水管に応用したのが「ラスカット工法」。


継手部分に腐食が集中する

ラスカット工法の特徴

 ラスカットの施工工事は主にパイプスペース内での作業となり、室内へは入らない。配管にアノードと呼ばれる電極ユニットを設置し、制御ユニットから微弱電流を送る。アノードから放出される微弱電流は水中を通り管内鉄表面に流入し、鉄を防食する仕組み。
 理論的には通電状態が続いている限り半永久的に防食効果が得られるという。
 工期は1日あたり10戸前後を目安としており、断水は全戸断水(1日)1回、系統断水(半日〜1日)1回、洗浄のための入室作業が約30分。
 電気代は1世帯当り月約4・2円。水中に流される電流は極微弱なため人体や建物への影響は一切ないという。保証については装置と効果について10年間を保証。
 防食効果のほかに副次効果として細菌類の繁殖を抑制する除菌効果もあるため、利用者からは設置後、飲料水の味覚向上の声も聞かれるという。
 同社は98年よりラスカットの販売を開始し、これまで約450組合、最大1000世帯の販売実績があるが、今後ライニング工法施工後10年を迎える集合住宅などのさらなる延命対策を「アフターライニング」ととらえ、その解決策として同工法を積極的に提案していきたいとしている。  問合せ先、タマガワ株式会社(電話03・5437・0170)






(2010年11月号掲載)