工事事例

前野町ハイツ給排水管更新工事

前野町ハイツ住宅管理組合(東京・板橋区) 理事長 橋爪 ム(はじめ)

給排水管更新工事中の前野町ハイツ住宅管理組合(東京都板橋区前野町)において、平成20年7月10日前野町ハイツ住宅管理組合、NPO日住協東京都支部、東京マンション管理士事務所事業協同組合、マンションリフォーム協同組合の共催による工事見学会が開催された。当日は平日にもかかわらず管理組合役員やマンション管理士等、16管理組合40数名の参加者があった。(以下工事内容について管理組合より詳細報告をしていただいた)が開催された。当日は雨模様にもかかわらず16管理組合47名もの参加者があり、盛況な見学会となった。(以下改修工事の事例報告)

1 設備の劣化  板橋区前野町にある前野町ハイツは、1981年公団分譲の団地型マンションで、5〜8階建て5棟301戸、1戸約90m2の建物である。建物構造は壁式であり、耐震補強の必要はないと判断されたが、高架水槽3基は満水時に震度7で全て転落すると判断された。併せて、給水管、台所雑排水管と浴室等雑排水管を抜管試験した結果、減肉による劣化が始まっていた。また、給水ポンプの絶縁抵抗値や運転電流値に異常値が散見されるようになった。そこで2006年(新築入居後25年)の管理組合総会で、これら設備を数年間かけて根本的に改修する決議をした。

管理組合を対象に開かれた工事見学会     
 

2 改修工事  2006年、先ず雑排水管の埋設管損傷部分を大規模に修繕した。次いで、2007年に全戸の台所雑排水たて管を更新した。台所雑排水たて管はほとんどが階段室のPS内にあったが、一部の住戸では和室の押入れ内にあり、その住戸にとっては煩わしい工事であった。さらに2008年に共用給水たて管、浴室・洗濯・洗面の専有排水管301戸分、共用雑排水たて管44系統を全部更新した。共用雑排水たて管は住戸のほぼ中央にあるトイレPS内にあり、便器の脱着を要する工事であった。2008年の工事は4月から12月までの8ヶ月間を要した。工事会社は、競争見積りによって株式会社太平エンジニアリングを採用し、事故なく、高品質で、工程表のとおり2008年12月20日に完工した。 管理組合は、2006年から2008年までの工事には総額6億円の資金を要した。

給水ポンプは5台新設した     
 

3 資金の積み立て  1992年の第1回外壁等大規模改修実施時に、その16〜17年後の2008年頃にはこうした設備の劣化が生じることが予測されていたので、早いうちから数年間隔で修繕費積立金月額を増額し、2008年の現在では1戸月額18、000円になっている。これとは別に、駐車場使用料等収入をほぼ全額修繕費積立金会計に繰り入れているので、現在の管理組合修繕費積立金年間収入は8、000万円であり、上記工事代金を修繕費積立金から支払った後もなお1億円の資金を有している。3年間で6億円というような多額の資金を要する場合、全戸から臨時徴収することや借入することも一方法であるが、当管理組合は約20年をかけて修繕費積立金を積み立ててきたものである。今後、2011年に行う第3回目の外壁等大規模改修工事に3億6、000万円を要すると試算されているが、その時には1億円の資金不足に陥ると思われる。時節柄、修繕費積立金の改訂は難しく、この資金をどのように調達するか、今後の理事会の力量が問われるところである。

トイレを脱着して行ったトイレ内給水管工事     
 



<アメニティ新聞316号 2009年1月掲載記事>