工事事例

第2回目の大規模修繕工事

 

外壁、給水システム、電気幹線、設備改善等を同時施工
光が丘パークタウン四季の香弐番街団地(東京・練馬区、板橋区)
大規模修繕委員長 松尾 義一

1.マンション概要


四季の香弐番街団地は、東京都練馬区と一部板橋区にまたがる光が丘パークタウンの中心部にある住宅・都市整備公団の分譲マンションである。3棟234戸(SRC造、14F、外壁は小口タイル張り)で、練馬区光が丘第8保育園が併設され、他に立体駐車場(134台、RC造、2F)などがある。竣工・入居は1987年(昭和62年)、築22年で、今回は2回目の大規模修繕・改修工事である。

2.スケジュールなど


設計監理方式によることとし、第1回及び中間期工事などと同様、(株)汎建築研究所の協力を得て進めた。2006年度は大規模修繕及び改修について、最近の動向などの勉強会をした。2007年5月の通常総会で、大規模修繕に取りかかることの承認(設計事務所、委員会体制など)を得て、6月から本格的に検討に入った。
  施工業者は団地内公募つき指名参加見積合せ方式により、戸田建設(株)を選定し工事を進めた。着工2008年12月、竣工2009年9月。

3.取り組み体制


取り組み体制は、従来からある長期修繕等専門委員会を改組した大規模修繕委員会によることとし、理事会の委嘱を受け大規模修繕に関する業務(契約業務を除く)を受託した形になっている。
組合員(居住者)との意思疎通をはかるため、(1)節目ごとに説明会の開催、(2)「大規模修繕だより」の発行(39号)、(3)アンケート調査の実施(数回)

4.代表的な工事


安全で安心して、かつ快適なマンションライフができるよう、今回の大規模修繕で取り組んだ。(1)加圧給水方式から受水槽が不要な増圧直結給水方式への変更、(2)電気幹線を40Aから60Aに改修、(3)(1)で空いた受水槽室などを集会所に改修、(4)各棟玄関ホールのデザインアップ改修、(5)ゴミ置場、自転車置場に目隠しスクリーンなどの設置、(6)歩道インターロッキング、植栽、サインなど外構改修、(7)バリアフリー化や床タイルの防滑処理、(8)一斉放送設備の改修と緊急地震速報との連動、(9)エレベータの改修(防犯カメラの取り替え、手摺の取り付けなど) 工事費(概算)186万円/戸、すべて修繕費積立金による。(オプション工事を除く)

                

                  玄関ホールとスロープ


5.工事の特徴と問題点


<工事の特徴>
 (1)建築の改修以外に、給水方式や電気幹線の改修などの取り合い調整の面から、一括工事発注とした。(2)受水槽室などを集会所にする大規模な改修であるが、床面積の増床がないので確認申請は不要であったが、共同住宅の消防特例の制約による手続きが必要で手間取った。(3)地域暖房給湯のために共用パイプシャフトの縦管が多く、給水管などの更新が困難な工事であった。
 <工事に際しての問題点>
 総じて順調に工事は進んだが、増圧直結給水方式への変更に際し直上階で振動・騒音問題が発生して対応に苦慮した。(1)増圧直結ポンプ、配管類には防振対策を施し、周囲には遮音壁を設けた。(2)戸田建設の技術研究所が振動・騒音の測定を行ったところ、125Hz帯で和室畳の根太フォームに共振増幅現象が発生していることが分かり、比重の重いモルタルにて下地を施工した。

6.あとがき


大規模修繕・改修工事終了直後から、今後25年間を見据えた長期修繕計画の見直しに取り組んでおり、当マンションの良好な居住環境を維持していきたいと考えている。

設計・監理 (株)汎建築研究所
協力(給水システム) トム設備設計
   (電気幹線改修) 今井建築設備設計事務所
施工
戸田建設(株)

<アメニティ新聞331号 2010年4月掲載記事>