工事事例

機械式駐車場を自走式駐車場に変更

ライオンズシティ津田沼(千葉市)

1、建物・工事概要
 「ライオンズシティ津田沼」は、京成津田沼駅とJR津田沼駅との中間に位置する交通の利便性に優れたファミリーマンションである。竣工は平成9年、建物の規模は地上8階建・78戸で、敷地内には機械式駐車場、自転車置場、ゴミ置場が設置されている。
 機械式駐車場は3段昇降横行式が2基・計42台が設置されており、今回の工事では、この既設機械式駐車場を撤去し、そのスペースに1層2段の自走式駐車場を新設した。
2、管理組合の取り組み
 機械式駐車場には築8年頃からパレットの錆、錆による穴あきが目立つようになり、現状の保全方法では問題があると、管理組合で機械式駐車場の維持保全計画について検討を始めた。
 管理組合は、現在の長期修繕計画に機械式駐車場が計画されていないことから、マンション・ユニオン保全設計協同組合をパートナーに選び、築9年目の平成18年に機械式駐車場を含めた長期修繕計画の見直しを行うこととした。


  完成した1層2段の自走式駐車場

3、長期修繕計画の見直し
 長期修繕計画では、機械式駐車場の自走式化についても検討した。駐車場に使えるスペースは狭く、昇降用のスロープを設けることが出来なかったが、敷地が2面で道路に接しており、その2つの道路に3m程度の高低差があることから、地上階と屋上階の出入口を別の道路にすることで1層2段型の自走式駐車場が建設可能となった。駐車台数は現状の台数が確保できず、7台減の35台の計画となった。
 長期修繕計画の支出計画では、機械式駐車場を維持・保全していく計画と自走式駐車場に建て替える計画で比較した。今後25年間の機械式駐車場の維持・保全費用は駐車場使用料による収入よりも高く、自走式駐車場の建設・修繕費用に対しては3倍程度となった。この結果、管理組合は第1回目の大規模修繕工事後の平成21年に機械式駐車場を自走式駐車場に建て替える長期修繕計画を採用した。


旧機械式駐車場

4、設計から工事まで
 平成21年1月から引き続きマンション・ユニオン保全設計協同組合が自走式駐車場増築工事の基本計画を開始した。基本計画では屋上階の駐車スペースを拡げて計38台収容可能とした。3月の通常総会で基本計画の承認を行い、実施設計へと進んだ。




 9月には見積依頼を行い、既存擁壁の撤去・復旧及び擁壁裏の土の掘削が不要となるVE案を提案した株式会社淺沼組に工事を依頼することに決定し、12月の臨時総会で工事の承認を得た。建築確認は淺沼組のVE案による設計変更を行い平成22年1月初めに申請した。確認申請では、増築建物によって道路斜線の基準位置が変わり、既存建物が制限に掛かってしまったため、道路斜線制限の代わりに平成14年の法改正から導入された天空率を適用している。
 工事は平成22年の2月中旬に着工した。既設機械式駐車場基礎の解体や土工事で、工事着手前には予測できなかった理由で遅れが発生したが、その他は順調に進み、7月末に竣工を予定している。


(設計・監理/八生設計事務所 施工/株式会社淺沼組 協力会社/(特殊基礎工事)旭中部資材株式会社、(鳶・土工事)日成興業株式会社、(鉄骨工事)米山鉄工株式会社、(解体工事)香椎工業株式会社


<アメニティ新聞335号 2010年8月掲載記事>