工事事例

第3回目の大規模修繕工事

築42年公団分譲団地型住宅/草加旭町住宅(埼玉県草加市)

1、建物概要

 「草加旭町住宅」は埼玉県草加市に位置し、東武伊勢崎線(東武スカイツリーライン)の新田駅から徒歩3分という交通の利便性に優れた場所に立地している公団(現・都市再生機構)分譲の築42年の団地型住宅である。
 建物は5階建て階段室型住棟が16棟・380戸と管理棟・給水棟等の付属施設で構成されており、住棟の構造は鉄筋コンクリート造で、壁式構造とラーメン構造の2タイプに分かれている。



2、管理組合の取り組み

 管理組合は平成21年8月に「大規模修繕専門委員会」を立ち上げて様々な検討を行い、平成22年7月には臨時総会で公募から選定した設計事務所に設計業務を依頼することを決定した。その後は設計事務所と共に建物・アンケート調査を行った上で工事内容の検討を重ね、平成23年3月には住民説明会を開催して工事内容の周知を行った。また同月に、新聞・インターネット等の公募に応じた複数の会社に見積を依頼し、見積内容やヒアリング等による絞り込みを経て施工会社を内定し、平成23年5月の通常総会にて施工会社(日本総合住生活)を決定した。
 工期は平成23年9月12日〜平成24年3月17日までの約6ヶ月間で、工事期間中は月2回のペースで管理組合・設計事務所・施工会社の3者定例会議を行い、工事の進捗状況・検討事項等を話し合い工事を進めていった。また火曜日を除く平日午前中は「大規模修繕専門委員会」の委員が交代で集会室に詰めていたため、工事における検討事項や問題ですぐに対応した方が良いものについては、委員会・設計事務所・施工会社の3者でその都度確認・協議を行い、工事の進捗に影響が出ないように対応し、無事工期通りに竣工を迎えた。



3、修繕工事の特長

 第3回目(築41年目)の大規模修繕工事であったため、「建物の耐久性を維持するために必要な修繕」と「長く快適に住み続けるために必要なグレードアップ」をコンセプトとして、特に以下の点に着目・注意し、工事を計画・実施した。
 (1)本建物の外壁に塗られているモルタル(厚さ10〜50mm程度)の剥落防止のための補修を行った。
 (2)バルコニー1階床下は新築時から1度も塗装が行われていなくコンクリートの不具合も多く見られたことから、ポリマーセメントモルタルによる下塗りの上に複層塗材塗りを行った。
 (3)バルコニー床面は美観性・防滑性の向上のため、床面は新規防滑塩ビシート貼り、排水溝・巾木は再ウレタン塗膜防水を行った。
 (4)階段室床面はポリマーセメントモルタル防水が施されていたが、シミ跡・ひび割れが散見されたため、バルコニー同様、歩行面を防滑塩ビシート貼り、排水溝・巾木にウレタン塗膜防水を行った。
 (5)鋼製天吊り型物干金物をアルミ製2段階調整型へ取り替えた(使い勝手及びメンテナンス性の向上)
 (6)カバー工法による住戸玄関扉取替を行った(気密・断熱・遮音性能の向上)
 (7)バルコニー内又は外壁に露出配管されていた台所系統の雑排水管は接続部の漏水が見られたため、足場を掛ける大規模修繕工事に合わせて取替を行った。(設計・監理=(有)八生設計事務所、施工=日本総合住生活(株))  

<アメニティ新聞358号 2012年7月掲載記事>