工事事例

埋設汚水管の改修事例/築45年集合住宅の埋設汚水管をオメガライナー工法で更生(花見川住宅)

団地概要
 花見川住宅は、印旛沼に端を発する花見川に沿って広がる千葉市花見川区に位置する、旧公団花見川団地(総戸数7246戸)の中の分譲街区(6・7街区)として、昭和43年(1968年)入居の40棟・1530戸からなる集合住宅である。


給排水設備の改修経歴
 (1)給水管:平成22年〜23年に、制水弁(ソフトシール弁)、埋設管(PE管)、棟内横引き管(PE管)、シャフト内竪管・枝管(SUS管)、住戸内専有管(HIVP・化粧カバー)にて更新完了した。※PE管:水道用耐震型高性能ポリエチレン管
 (2)排水竪管:花見川住宅の場合は、共用排水竪管は階段共用部分となっており、階段単位の住戸負担工事である。共用竪管の内、ベランダにある台所系共用竪管とピット内横引き管は、平成18年の「第3回大規模修繕工事」までにVP更新を完了した。
 浴室系雑排水竪管とトイレ汚水竪管は、それぞれDVLPとラセンDVLPにて更新進行中である。


屋外埋設排水管の現状
 (1)花見川住宅における埋設排水管は、200mm径の本管はヒューム管、150mm径の本管・枝管は石綿管となっている。
 (2)埋設雨水排水管については、現在のところ大きな不具合は発生していないが、汚水排水管と同様に埋設管内と桝内には木根がはびこっているものと考えられる。
 現状に於いては、埋設雨水排水管については事故修繕として対応している。
 (3)埋設汚水排水管の内、本管については、今まで事故修繕として詰りが発生した際に高圧洗浄車による管内・桝内の洗浄と木根除去による詰り解消を行ってきた。
 ところが、昨年末より本管の詰まりが多発し始め、今春に予定していた24年度計画修繕工事分の「棟汚水排水枝管改修工事」実施中にも頻発した為、急遽本管内の詰り解消を兼ねてカメラによる全本管の「管内調査」を実施することになった。
 (4)本管内の現状は、埋設ヒューム管・石綿管の継手の多くの箇所から木根が進入成長して詰りを発生させていることが判明した。特に汚水本管埋設ルート近辺には、入居後45年になる桜やマテバシイ等の大木が林立して根を張っている。よって、埋設管の詰り発生を無くすには、木根が埋設管内に侵入せぬ様に改修する必要がある。


埋設汚水管の改修
 (1)埋設本管を改修するに当って更新と更生が有るが、花見川住宅の場合には埋設管深さが、下流で5〜6m以上と深く、また配管ルートには大木が林立しており、新規埋設ルート及びバイパスルートの開削は、用地および生活空間での安全上からも不可能である。
 よって、埋設本管の更新は不可能なために既存管を使用した更生とする。
 (2)管理組合では平成24年に木根による詰りを定期的に起こしていた汚水本管の人孔間1区間約18mをオメガライナーR(1.)(自立管タイプ=最小仕上肉厚7・2mm)工法にて、テスト施工を兼ねて更生工事を実施した。実質工事期間は2日間であった。
 その結果、今後の埋設管の改修に当っては、集合住宅に於いて工事期間中の住環境に与える影響が少なく、かつ工期が短く掘削の必要がなく安全面の確保が容易な「オメガライナー工法(積水化学工業(株))」を採用することにした。
 (3)管理組合では、平成24年度「計画修繕工事」として、排水不良が起きていた6棟の「北側汚水排水枝管改修工事」を実施した。
 汚水排水枝管は石綿管150mmφ管長約415m51桝で、改修工法はオメガライナーLn(ライニングタイプ=最小仕上肉厚2・6mm)工法とした。
 (4)花見川住宅に於けるオメガライナー工法の工事仕様
 (1)埋設汚水本管(ヒューム管200mmφ):オメガライナーR(1.)(自立管タイプ=最小仕上り肉厚7・2mm)工法
 (2)埋設棟北側汚水排水枝管、本管(エタニット管150mmφ):オメガライナーLn(ライニングタイプ=最小仕上り肉厚2・6mm)工法
 (3)この工法は、既設管の排水勾配が適正であることが前提条件となる。また、既設管に支障となる破損箇所が有る場合は破損等不具合区間の部分更新後の施工となる。


オメガライナー工法施工要領の概要
 (1)管渠内面内の障害となるものを除去し、管内と桝内を超高圧洗浄にて洗浄する。(写真1)
 (2)ドラムに巻いた断面Ω(オメガ)型形状に折り畳んだ硬質塩化ビニール管を高温蒸気にて
軟化させてマンホールより既設管内に挿入する。(写真2)
 (3)挿入したΩ型形状塩ビ管を蒸気加熱により円形に復元させ、圧縮空気にて膨張させ既設管に密着させる。(写真3)
 (4)マンホール内の管口を速乾モルタルにて成形処理する。(写真4)
 従来より、この工法は公共性のある下水道・農業用水では施工されていたが、集合住宅に採用されたのは[花見川住宅]が第1号である。


写真1
写真1


写真2
写真2


写真3
写真3


写真4
写真4


「設計・監理=一級建築士事務所 秋設計、施工=京浜管鉄工業梶Aオメガライナー工法開発元=積水化学工業梶v


(2013年8月号掲載)